今回は、人間の完全性、あるいは、物事の完全性について、考えてみたいと思います。
1、いっけん最高に完璧かつ完全なものがあったとしても、そうした仕事をした人自身は、意外と冷静な評価や感想を持っていることが多い
よく巷では、「この仕事は完璧だ」とか、「この製品は最高だ」とか、「あの人の芸術作品は完全だ」というような話を聞くのですが、ところが、そうした最高に完璧な仕事をしたとされるような人の話を実際に聞いてみると、「いや、この部分だけは、今でも気になるんだ」とか、「素人の人には分からないけど、この部分は、予算や時間の都合で妥協せざるをえなかったんだ」とか、「あの時の技術では、それで完璧だと思ったんだけど、今の技術だと、もっと良いものができるだろうな・・・」などというように結構、あれこれ冷静に考えているものなのです。
つまり、パッと見た目、聞いた目には、素人、あるいは、ある程度のプロフェッショナルの人からは、どう考えてみても最高に完璧な作品にしか思えないようなものであっても、そうした「天才」と言われている人自身から見ると意外と冷静な態度で、「いや、あそこは、本当は、ちょっと気になるんだよね」とか、「ああ、当時の自分としては最高だと思うんだけど、今の自分だと、もっとうまく出来るかな」などというように結構、冷静、というか、シビアに判断していることが、実際には非常に多いのです。
つまり、よく巷では、まるで最高に完璧かつ完全な物があるかのような説明がされているものであっても、そうした作品を作ったり、仕事をした人物から見た場合には、結構、冷静にシビアに、いろいろな評価や感想を持っているのが現実なのではないか、ということなのです。
Cecye(セスィエ)