Q日本では、歴史は、宗教のような役割を果たしてきたのですか?
A戦後の日本では、敗戦で、ただでさえ世の中が大混乱している際に、一緒に宗教や道徳も、ほぼ全否定されてしまったので、その時点で多くの日本人は、「今後、いったい、どうやって生きてゆけばいいのか」というように精神的にも大混乱してしまっていたわけです。
そこで天界からは、「それなら昔から日本にも、たくさんの素晴らしい宗教的、道徳的な生き方をした人もいた」とか、「昔の日本人の中にも、世のため人のために一生懸命生きた人々がいた」というように、その当時の宗教や政治上の検閲や批判に引っかからないような形で、言ってみれば、一種の歴史教のようなもので、「人間とは、どう生きるべきか」、「歴史上の偉人達は、世の中の混乱や人生の試練の中で、どう生き抜いていったか」ということを教えるような学者や文学者をたくさん出させたのです。
その点で戦後の日本では、歴史が、多くの人々に新たな意味での誇りや自尊心や、やる気や希望を与えるような、ある種の宗教のような役割を果たしてきたのは事実だと思います。
ただ、戦後70年近く経って、そうした歴史教は、最近だと、どちらかと言うと、だんだん弊害の方も目立ち始めてきたので、2000年過ぎた辺りの私の文章だと、「歴史教には、こんな問題もあるよ」というような解説も入れるようになってきたということです。
Cecye(セスィエ)