イエスが、傑出した霊的な指導者だったことは、確かに歴史的な事実なのだが、イエス以降にも、イエス以上に優れた霊的な仕事をした人は、数多くいるし、また、霊的には、肉体的快楽や幸福を全否定してくるような宗教は、かなり問題が多いと言える
さて、ここで再び、話を戻しますが、こうした客観状況において、キリスト教に関わる公式のコメントというものを、いったい、どこまで信じればよいのか、というのは、はっきり言って、これは、どんな人であっても、かなり難しい質問になってくるのではないか、ということなのですが、ただ、私は、こうしたキリスト教の客観状況から判断できる結論としては、どう考えてみても、次のような二つのことが言えるのではないか、と思います。
①確かに、イエスは、歴史に残るほどの偉大な霊的な指導者であったかもしれないが、イエスの死後だけでも、イエスと同じくらい重要な、難しい霊的なミッションをこなした人物は、最低でも数千人くらいはいるので、「イエスだけが、特別な、絶対に誰も真似できないような偉大な聖人である」という考え方は、かなり的外れなところがある
まず第一には、これは、普通、熱心なキリスト教徒の人々は、絶対に考えないような内容になるのでしょうが、簡単に言うと、確かに、イエスと呼ばれる人物は、後世、「キリスト」と呼ばれるくらい、霊的に偉大な指導者であった、ということまでは、ある程度、認めてもよいのかもしれないのですが、だからと言って、「イエスだけが、普通の人々としては、絶対に真似できないような、ものすごい偉大な聖人である」、とか、「普通の平凡人は、どんな努力をしても、彼のような立派な人物にはなれない」、というような考え方は、絶対にしてはいけない、ということです。
つまり、これは、霊的には、かなりはっきりしていることなのですが、霊的に見た場合、イエス自身も、生前、言っている通り、イエスと同じくらい、非常に重要な霊的なミッションを行った人物は、イエスの死後、約二千年の間だけでも、大体、数千人ぐらいはいるし、また、なかには、霊的に見た場合、イエス以上に、非常に難しい重要な霊的なミッションをこなした人々も、イエスの死後だけでも、おそらく、数十人ぐらいはいるので、はっきり言って、イエスだけを、誰も真似できないような、ものすごい偉大な聖人扱いするのは、霊的に見た場合、かなり的外れなのではないか、ということです。
②霊的に見た場合、結婚も大切だが、セックス自体も、非常に霊的な行為であるとみなされているし、また、そうした宗教的な教えに関わりなく、一人一人の人間が、日々、できるだけ最高に幸福な生き方をしてゆくことも、とても大切なことであるので、結婚やセックスに象徴される、肉体的快楽や幸福を全否定するような態度は、本当は、絶対にとってはいけないようなところがある
第二には、これも考えてみれば、当然のことであるのですが、「イエスを深く敬愛している」、とか、「その母とされている、聖母マリアのことも深く敬愛している」、というようなところまでは、良いとしても、「だから、霊的に生きるためには、生涯独身でないといけない」、とか、「結婚やセックスに象徴される肉体的快楽や幸福は、みんな罪で悪である」、というような物の見方は、霊的に見た場合、ほぼ悪魔の思想のように判断される内容になっている、ということです。
ですから、単純に「イエスが大好き」、とか、「聖母マリアが大好き」、ということであれば、私は、それほど大きな問題はないのではないか、と考えているのですが、先ほども述べたように、霊的に見た場合には、霊的な結婚も大切であるが、それと同様に、セックスも、非常に霊的な行為であるとみなされているし、また、そうした宗教的な教えに関わりなく、単純に、日々、自分自身を含めた、できるだけ多くの他の人々や生き物達が、最高に幸福な生き方をしてゆくことも、非常に大切なことであるので、たとえ、霊的なことであるからと言って、結婚やセックスに象徴される、肉体的快楽や幸福そのものまで、全否定するような態度は、本当は、絶対にとってはいけないようなところがある、ということなのです。
※ここで言う、肉体的快楽や幸福とは、「寒い時に、できるだけ暖かく過ごしたい」、とか、「暑い時に、できるだけ涼しく過ごしたい」、とか、「できるだけ、おいしい、栄養価の高いものを食べたり、飲んだりしたい」、とか、「できるだけ、着心地のよい、きれいな服を身につけたい」、とか、「できるだけ、健康で快適な生活がしたい」、とか、「できるだけ、肉体的にも、精神的にも、楽しい、心地よいことをしたい」、というような、ごくごく普通の肉体的な快楽(心地よさ)や幸福(楽しい、嬉しいこと)のことになります。ですから、特に肉体的快感とか、セックスの快楽だけを指しているわけではありません。
Cecye(セスィエ)
2012年2月8日 9:07 PM, キリスト教 / スピリチュアリズム、霊界 / 人生観、世界観 / 結婚、家庭