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試験が、絶対正しいとは限らない Part 2

 前回に引き続き、試験制度の話になります。

 

②どんな資格にも、その資格特有の保証期間のようなものがあるので、本当は必ず、一定の期間ごとの再講習や再審査のようなものが必要である

 第二には、これも考えてみれば、非常に不思議なことであるのですが、どんなに難しそうな試験に合格できたとしても、それは例えば、大学合格なら18~20歳ぐらいとか、公務員の試験なら22歳前後とか、最難関と言われるような司法試験なら20~30代ぐらいなどというように必ず、その試験で合格した正確な年月日というものが決まっているはずなので、ちょっと喩えは悪いのですが、食品で言えば、その消費期限に当たるようなもの、つまり、そうした試験の合格証書や免許による、その人の知識や技能の保証期間のようなものが、当然、大体決まってくるはずなのです。

 それが、なぜか現代の日本だと、「この試験に受かった人の知識や技能は、国家が永久保証!」などという具合に、言ってみれば、国家が、その人の資格を半永久的に保証する、というより、もっとはっきり言うと国家が、その人の一種の社会的身分に当たるようなものを半永久的に保証する、というか、確定させるための非常に不思議な役割を、そうした試験自体に与えるようなことをしているのです。

 それゆえ、こうした試験の合格証書や免許というのは、私達の社会では、まるで水戸黄門の印籠(いんろう)のような不思議な効力を持っていた、ということなのですが、しかし現実には、大学の入学試験の内容なんて、たいてい、ほとんどの人は、入学した途端に忘れ出してゆき、そして社会に出て数十年も経つ頃には、使わないものは、もうほとんどそっくり忘れるような状況になっていることが多いですし、それから、いくら昔に優秀な成績で医師の免状を取ったような人であっても、現代のように日進月歩に医療技術が進歩してゆくような時代には、はっきり言って、そうした昔の医師の免状だけでは全く不十分で、それだけではなく、その後、一体どのような臨床経験を積んだのかとか、それから、一体どれくらい最新の医療の知識や技能を修めているのか、ということが、患者の立場からすると非常に重要になってくるのですが、残念ながら現代の日本には、それを知るための手立てはほとんどないので、それゆえ現実には、大勢の患者の人達が、誰かの紹介とか、誰かの口コミを頼って、今日も信頼できる医者探しをしなくてはならないような状況になってしまっているわけです。

 このように実は、どんなに難しい国家試験に合格した人であったとしても、その合格した時点でのその人の実力は良しとしても、本当にその後、数年、数十年後まで、その時の知識や技能をしっかりと保持し続けているか、ということや、それから現時点での最新の知識や技能を持っているのか、ということに関しては、はっきり言って、かなり疑問があるのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2010年11月16日 9:17 PM, 教育 / 知恵、正しさ



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