しかし実際には、現在までの中国の歴史を見ると、確かにかつて欧米や日本などの自由主義、または資本主義の国々の侵略や植民地支配に散々苦しんだことはあったかもしれないけれども、さらに少し歴史を遡れば、かつてはその中国も様々な国々に対して、たくさんの侵略や抑圧的な支配を行い続けてきた国だったのであり、また第二次世界大戦後、そうした中国が共産主義政権になった後も、たくさんの政治的な行き過ぎや失敗で多くの中国の人々の命を奪ったり、軍事的な侵略を行ったり、中国の多くの人々を、非常に長い経済的な停滞や貧困の中に起き続けてきた歴史の経緯もあったわけです。
そして現在の中国政府の立場としては、これまでの経済的な成長や、国の近代化の成果は、すべて中国の共産党政権の手柄にして、現在の長期不況や国内の問題の原因は、すべて一部の官僚や企業や国民の間違いや、外国の責任に押しつけてしまうような政治姿勢をとろうとするのは、先ほどから述べているような共産主義的な考え方や、中国を世界の中心と見るような中華思想から見たら、極々当然のことのように思われるようなところもあります。
しかし、よくよく冷静に現在までの中国の大きな発展の理由を、ある程度客観的な目で見直してみると、実際には第二次世界大戦後の共産主義に基づく中国の国家運営では、中国の政治的な統一には成功したもののその後、農業的に大失敗して、数千万の餓死者を出したり、軍事的な侵略を行うことになったり、ずっと経済的に停滞して、多くの人々が貧困状態に置かれたままになっていたような歴史の経緯もあったわけです。
ところがその後の中国は、主として70年代以降の改革開放政策によって、当時のソ連や社会主義の国々との協力関係を深めるのではなく、欧米や日本などの自由主義の国々に対して、国際的な外交関係や協力関係を深めていった結果、現在のような自由貿易体制の下、そうした欧米や日本などの自由主義の国々の政治や経済の仕組みを部分的に取り入れたり、それから、そうした国々からのかなりたくさんの経済援助や企業の進出や、技術支援などを受ける形で、様々な国々から資源やエネルギーを輸入したり、また、そうした欧米や日本などの自由主義の国々にたくさんの工業製品の輸出を行うことによって、大きく経済的に発展して、かなり豊かな国民生活を送れるようになってきたのではないか、ということなのです。
続く・・・
Cecye(セスィエ)
2025年12月4日 9:04 PM, 中国思想 / 政治 / 歴史 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済 / 軍事
