２、多くの国民の意思が、政治の世界に正しく反映されるような現在の選挙制度は、人類が到達した理想の政治システムの一つのあり方である
それゆえ、こうした歴史の経緯から、現在の選挙制度を見てゆくと、だいたい次のような四つのことが言えるのではないか、と思われます。
まず一つめは、現在の選挙制度においては、確かにすべての国民にとって、決して最高の理想の政治家ばかりが統治しているような国にはなっていないかもしれないのですが、しかし定期的に公正な選挙が行われているような国では、たとえ大きな政権交代が起きたとしても、少なくともそうした過程で、「多くの人々が殺されたり、傷つけられたりした」とか、「誰かの財産が没収された」とか、「多くの人々が拘束されたり、不当な罰を課されたり、国外追放された」とか、「ものすごく大変な社会騒動になった」などというような大変な事態にはならないことが多いということです。
二つめは、現在の政治の世界には、確かにいにしえの時代の伝説の聖王や、映画やアニメに出てくる、カッコいいヒーローのような、ものすごい偉大な人物が政治家になっているようには、なかなか思えないかもしれないのですが、しかし現在のような選挙制度があれば、少なくとも半数以上の国民が、「絶対にダメだ！」と言いたくなるような、とんでもない人間が、国の一番トップの大統領や首相になることは、あまりないだろうし、また、もしなったとしても、数年に一度の選挙で、多くの人々がノーを突きつければ、あまりにもダメだった人には、わりと簡単にきっちりやめてもらうことができるということです。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
