５、愛の観点から見ると知性や人間性の向上は、とても大切なのだが、さらには幸福な人生の生き方や、それぞれの人独自の個性や自由の尊重も、とても大切である
五つめは、このように愛の観点から人間の知性や人間性を見てゆくと、一般に愛情が深い人は、同時に人間性も高いことが多いのですが、ところが単に愛情が深いだけでは、本当に多くの人々を幸せにしてゆくことができないようなところがあるので、できれば、愛情が深い人は、そうした愛情の深さに見合うだけの知性の高さを身につけてゆくことが、とても大切になるのではないか、と思われます。
一方、知性は高いのだが、人間的に少し不器用で、愛情の表現が、あまり上手でないような人の中にも、意外と愛情が深い人は、世の中には、たくさんいるようなのですが、ただ幸福論の観点から、こうした人を見た場合には、人間的な感情の自然な表現や、円満な人間関係を築くコツや、できるだけ幸福な精神状態を維持するための技術を身につけて、自分自身も、また周りの人々も、できるだけ楽しく幸せに過ごせるような人間性を身につけていった方が、もっと人間的に幸せな人生を歩めるのではないか、というように思われます。
それから人間の知性の働きの中には、こうした愛情や人間性の観点からだけでは、なかなかよくわからない側面もあって、本当に知性が高い人の愛情の深さや人間性の素晴らしさが、大多数の普通の人々には、なかなかよくわからないばかりに、後から考えてみると、私達の社会に本当に大きな良い影響を与えるような偉大な仕事をしている人に対して、いつのまにか、ほぼ無意識のうちに大変な加害行為をやってしまうようなこともありえるので、それゆえ、単なる愛情のあるなしや、普通の人間性のよしあしや、知性のあるなしとは、少し違った視点、つまり、特に自分自身を傷つけたり、他の人々に大変な迷惑をかけたり、反社会的な犯罪行為を犯しているわけでもないのであれば、自分自身の個性や自由を大切にするだけでなく、それぞれの人独自の個性や自由も大切にするような社会のあり方が、とても大切になってくるのではないか、と思われます。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
2019年6月10日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 宗教、道徳 / 愛について / 成功論、繁栄論 / 政治 / 知恵、正しさ / 社会、文化
