それから三つめは、これは、あまり考えたことがないかもしれないのですが、実は、人間の知的欲求の中には、たとえ本人の表面意識としては、ほとんど意識されていないとしても、いつの間にか潜在意識的な欲求の充足が目指されてしまうようなところがあるので、例えば、かなり知的水準の高い人であっても、よくよく考えてみれば、一見知的ではあっても、本当は食欲や睡眠欲や性欲といった生物的な欲求の充足を目指しているのではないか、と思われるようなことがあったり、また、その人の客観的な状況としては、どう考えてみても大きなマイナスになっているはずなのに、そうした何らかの生理的な欲求の満足のために、かなり不必要な趣味や浪費の生活習慣をやめられないようなことがあったりするものなのです。
こうした観点から見ると、一見、かなり知的な欲求の充足を求めているように見えたとしても、本当は何のことはない、生物的な欲求の充足が本当の目的なのではないか、と思われるようなことも、人間の生活の中には、結構かなり多く含まれているところがあるようなのです。
ですから長い目で見た場合、現在の地球の文明では、そうした知的な欲求の充足と、生物的な欲求の充足のバランスを、いかにして、うまくとってゆくかということが、今後も大きな課題になってゆくように思われます。
Cecye(セスィエ)
2017年2月14日 9:03 PM, 知恵、正しさ