Light Symbol

民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 15

1、豊かな先進国になるためには、どんな国であっても、道徳や教育レベルなどの国民の民度を高めると共に、他の人々から必要とされるような商品やサービスを、次々と産み出して、その社会全体に地道に富の蓄積をし続けてゆくことが重要である

 一つめは、これは現在も時々、非常に大問題になっているような内容になるのですが、こうした社会の発展期においては、どう考えてみても、あまり公平とも適切とも、また、その人自身の能力とも努力とも言えないような感じで、ある一群の人々が、非常に大きな権力を握ったり、大きな富を持つような状況になることが多いと同時に、ある一群の人々は、どうやっても貧困や搾取から逃れられないとか、時には、とんでもない差別や虐待から逃れられないような状況になりがちなのです。

 ところが、非常に残念なことに、こうした社会の変革期には、まだ国の政治には、そうした社会問題や富の不公平を解決してゆくだけの十分な力がないし、また、わりと裕福な人々を含めた大多数の人々も、自分の仕事や生活に手一杯で、そうした問題を解決したいと思っても、実際問題として、なかなか手が回らないような社会の状況になることが多いのです。

 それでは、こうした社会の状況が続いた場合、いったいどのようなことが起きてくるのかというと、次のようなことが言えます。

 はっきり言って、こうした社会の状況は、現代であれば、政治や経済の運営に大きな問題がない場合には、長期的には、たいてい数十年ぐらいの時間があれば、少しずつ解決してゆく問題であることも多いのですが、ところが、そうした社会の状況が、なかなか改善しないと、「政治家や政党が無能だからだ」とか、「一部のとんでもない悪徳政治家のせいだ」とか、「外国の干渉や経済搾取のせいだ」とか、さらにもっとひどくなってくると、「一部の下層階級や差別階級の人々がいけないのだ」とか、「隣の国や民族の横暴のせいだ」などというような話が、ずっとあちこちで取り上げられるようになると共に、確かにそう言われてみれば、実際、そうだと納得してしまうような話も多いために、一部の人々は、結構、熱心にそうした話に深く傾倒していってしまうことが多いのです。

 ところが、ここでややこしいのは、人類の歴史を見ていると、それではそうした主張に基づく、ある種の過激思想のようなものを信奉する政治家のグループが政権を握ったり、あるいは、一部の軍人達が、軍事クーデターによって政権を握ったとしても、その後の様子を見ていると、なかなか多くの人々が思い描いていたような形で、その国の状況が、劇的に改善されるとか、ものすごく良くなるような状況には、なかなかならないことが多いようなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年9月27日 9:04 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済



«

»

おすすめ記事

過去の記事