Light Symbol

民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 2

 たいてい、そうした民主化や近代化の草創期には、どこの国でも、その国の人々が、これまで一度も手に取ったことのないような様々な武器を持って、国防や治安のための軍隊や警察が作られることが多いのですが、ここで問題なのは、こうした軍隊や警察は、そこそこの武器や食料や服などの生活必需品や、お金や土地や建物さえあれば、わりと簡単に作れるし、それから若い人々ばかりであることが多いので、わりときっちりとした安定した組織が作りやすいようなところがあるのですが、ところが、それに比べると、たいてい、どこの国でも近代化というのは、かなり地道な教育や労働の積み重ねや、それから道路や鉄道や電気や上下水道といったインフラの整備や、たくさんの建物の建設や土木工事や、大小様々な役割の産業の育成や、資本の蓄積が必要になるので、それゆえ、どんな国であっても、数十年、数百年に及ぶような、かなり地道な長い長い道のりを経なくてはならないものなのです。

 そうすると短期間のうちに、わりときっちりした体裁が整いやすい軍隊の状況と、数十年、場合によっては、百年以上、数百年も経たないと、なかなか立派に整い、繁栄した社会の状況にはなりづらい国全体の発展の速度のズレから、これまでの人類の歴史だと、時折、あちこちで軍人の指導者達が軍事クーデターを起こして、国政の立て直しを図ろうとすることが多かったのです。

 ところが、たいていの場合、結果は散々で、結局、そうした国の近代化のためには、先ほども述べたように、かなり地道な教育や労働の積み重ねや、国家規模のインフラの整備や、たくさんの土木建築や産業の育成や、資本の蓄積が必要なところがあるので、そうした軍事クーデターの結果、あまり適切とは言えないような、かなり荒っぽい強引な国家政策の遂行によって、かえって国家の混乱や衰退が長引くことが、これまでの歴史では、とても多かったようなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年9月6日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済 / 軍事



«

»

おすすめ記事

過去の記事