三つめは、これは少し難しい話になるのですが、実は、人間の心理というものを見てゆくと、簡単な単純な作業を、非常に楽しい面白いものとして感じるようなところがあるのですが、ところが、そうした簡単な単純な作業がずっと続いていると、今度は、どこかの段階で飽きてきて、だんだん非常に苦痛に感じられてくるところがあるようなのです。
それでは、一般に言われるように、本当に人間は、大変な難しいことが嫌なのかというと、確かにあまり大変な難しいものばかりやらされていると、そうした作業全体が、すっかり嫌になってしまうこともあるのですが、ところが、適度に大変で難しいものに取り組むことには、逆にとてもやりがいや面白みを感じるようなところもあるようなので、こうした点で人間の心理というのは、結構、複雑なややこしい性質があるようなのです。
つまり学校の毎年毎年、学習レベルが上がる順序立ったカリキュラムの方式や、コンピューターゲームの次々とレベルが上がるステージ方式ではないのですが、どんな仕事であっても、その人の性格や能力にうまく合った形で、適度にその人なりのやりがいや達成感が感じられるような仕事を淡々と積み重ねると同時に(自分なりのモチベーションの管理も大切ですが・・・)、適度に多少、大変な難しい仕事が混ざっているような状況が、ずっと続いているような仕事の方が、多くの人々は、わりと単純にその人なりのやりがいや生きがいを感じやすいところがあるようなのです。
ですから自分が働いている企業や団体で、そうした仕事のやり方やレベルアップを推奨してくれるのであれば、その時々の自分のレベルに合った仕事のやり方を進めてゆけばよいし、また、もし、そうした状況でない場合には、できるだけ、そうした仕事の状況に持ち込めるように自分なりに学んだり、誰かに教えてもらって、仕事上の知識やスキルを上げたり、仕事の質や量や時間を調整したり、あるいは、その時々の状況に応じて、仕事上の目標を上げ下げしたり、他の人々とうまく協力し合うような様々な試行錯誤をしながら、自分なりの仕事を積み重ねてゆくことが、とても大切なのではないか、と思われます。
Cecye(セスィエ)