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職業と人生 Part 57

2、政治や経済の進歩によって、多くの人々は、一昔前の時代のような過酷な重労働の職業や人生のあり方から、だんだん開放されてゆき、より高度で洗練された職業や人生のあり方に大きく変化してきている

 二つめは、これはあまり考えたことのある人は少ないような話になるかもしれないのですが、そうした非常に豊かな社会になってゆくと、これまで非常に長い間、人類が深く信じ込んでいた職業や人生に対する考え方が、次のような三つの点で大きく変わってゆく、ということです。

 

①一昔前までは、多くの人々は、生きてゆくために仕方なく働かざるを得ないような状況が、とても多かったのだが、だんだん時代を経るうちに、それぞれの人の状況や能力や希望に見合った仕事を自由に選ぶような時代に大きく変化してきた

 一つめは、これは単純な話ですが、少し前の時代までは、多くの人々が職業に就く、つまり仕事をする理由というものを考えてみると、わりと単純で、「とにかく働かないと、もうすぐに食べ物にありつけなくなるから」、とか、「ちゃんと働いていないと、偉い人に罪を問われて、何をされるかわからないから」(現代人にはよくわからなくなってきた感覚ですが、少し前の時代までは、決められた仕事をきっちりしなかったり、少しでも文句を言ったりすると、結構重い罪に問われることが多かったです)」、とか、「自分は、小さい頃から真面目に働くことの大切さを芯から身につけるような家族や社会の中で育ってきたから」、とか、「都会の路上には、乞食が溢れ返っているし、とにかく仕事があるだけありがたいと考えて、毎日を生きてゆくしかないだろう」、などというように、とにもかくにも自分や自分の身の回りの家族が、今日と言わず、明日と言わず、その後、数年数十年と十分な食べ物や服や家といった生きてゆくために必要なものを確保するために、一生懸命、毎日毎日働き続けてきたようなところがあるのですが、ところが、ある程度、政治的に進歩し、経済的に豊かになった社会になってくると、はっきり言うと、食べ物や服や家などの衣食住に関わるような生活に必要なものは、どこに行っても、かなり高品質のものが安い値段で十分手に入るようになっているし、また職業の内容そのものも、昔のような親の職業や、とりあえず身の回りで見つかるような職業だけでなく、それなりの教育や能力開発の機会さえあれば、あの職業、この職業と、かなり幅広い選択肢から自由に選べるような社会の状況に大きく変化してしまったようなところがあるわけです。

 つまり、こうした非常に豊かな社会になった場合には、昔のように、「とにかく生きてゆくために働かなくてはならない」、というような考え方はだんだん少なくなってゆき、それに代わって、「自分は、この職業がとても魅力的に感じられたので、この職業を選んだ」、とか、「自分の家はとてもお金持ちだったんだけど、自分の可能性を試したくて、あえて少し厳しい業界に飛び込んで、その世界で一人前になった」、とか、「自分の学歴や能力としては、もっと高い賃金をもらえる仕事はいくらでもあるんだけど、あえて自分としては、特にやってみたい、あるいは、とても使命感を感じられるようなこの仕事に就いている」、とか、「高収入の仕事に就いて、バリバリ働いて、もう大金は十分に稼いだので、残りの人生は、あえて自分の好きな趣味やボランティアをして、悠々自適に過ごしたい」、などというように、要するに生きてゆくために仕方なく働くのではなく、それぞれの人が、それぞれの人の状況や能力や希望に応じて、自分の好きな、あるいは、自分に最も合った職業を選ぶような時代に大きく変化してきているようなところがあるのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年7月30日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論 / 歴史 / 社会、文化



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