Light Symbol

職業と人生 Part 31

 二つめは、ところが世の中というのは、面白いところがあって、いくらその人自身に、ずば抜けた才能や能力があったとしても、一段上の立場に立って、いろいろな人々の指導をさせてみると、あまりうまく行かない、つまり人によっては、人当たりに多少問題があったり、あるいは、他の人に上手に教えたり、やる気にさせたり、うまくまとめるような仕事には、あまり向かないような人もいるので、そうした際には、たとえ、その人個人は、とても優秀であったとしても、基本的に人の上に立つような立場ではなく、その人個人が自分の能力を最も発揮して、輝けるような立場にいた方がよいようなところがあるということです。

 こうした能力は、後天的な努力や周りの人々の助言やサポートによって、ある程度補ってゆけるようなところもあるのですが、ただ、その時々のその人の置かれた立場や状況に、その人の努力や成長が追いついてゆけなかったり、また、仕事の内容や周りの人々との相性や、その人の持って生まれた性格やコンディションがあまり合わない場合には、場合によっては、かなり大変な状況に追い込まれてしまうこともあるようです。

 ですから、これは多少、その人の持って生まれた運のような面もあるのですが、結果としては、ある人は、数人をまとめるような管理職、また、ある人は、数十人をまとめるような管理職、さらにある人は、数百人、数千人をまとめるような管理職、それからある人は、どちらかと言うと、そうした管理職ではなく、数十年の知識と経験を持つベテランの専門家などというように、仕事に就いた後の数十年の間には、それぞれの人が、その人の性格や能力に最も見合った形の立場や役職に落ち着くような社会の状況になってゆくことが多いようです。

※高度成長期の社会の状況や、学生時代の感覚だと、何となく、どの人もみんな年数を経るたびに、どんどんキャリアが上がり、出世してゆくような社会のイメージがあるのですが、ところが、たいてい、どこの会社も管理職というのは、上の立場になればなるほど、だんだん人数的に少なくなってゆくようなところがあるので、残念ながら会社に入って、毎年毎年、年齢を経ていったとしても、その中のほんの一握りの人しか、一般に「偉い人」と言われるような管理職になれるわけではなく、どちらかというと、非常に知識や経験の豊かなプロの専門職のような立場になる人々がほとんどである、というような社会の実態があります。私は、それぞれの人が、その人の性格や能力に見合った適職につくべきであると思うので、そもそも「管理職の人が上で、そうでない人が下」というような物の見方自体が間違っているのではないか、と考えているのですが、基本的には、何らかの知識や技能を極めてゆくような専門家的な能力と、そうしたことを人に教えたり、人をまとめ上げてゆくようなマネジメントの能力は、ある程度、別のものだと割り切って、その時々のその人の立場や状況に最もふさわしい形の努力と周りの人々からのサポートをした方がよいように思います(実際にやる仕事が、かなり異なることも多いので・・・)。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年4月28日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論



«

»

おすすめ記事

過去の記事