２、歴史的に見たヘルメスの実像について
第二には、それでは、この地球の歴史的に見た場合、ヘルメスの実像とは、いったいどのようなものだったのかということについて、大まかに五つの点から述べてみたいと思います。
１、ギリシャ神話におけるヘルメスの位置付けについて
まず一つめは、これはギリシャ神話でよく知られているようなヘルメスの話になるのですが、かなり大まかに要約するとヘルメスは、天空神のゼウスに使われている伝令のような存在として扱われていることが多いのですが、このギリシャ神話的なヘルメスの良いところは、非常にたくさんの分野に渡るような高度な知性と創造力と芸術面の才能を示していることと、それから、これは本当に良いことなのか、悪いことなのか、よくわからないようなところもあるのですが、非常に豊かな知恵や交渉力でうまく機転が利かせながら、他の神々を上手に説得して世渡りしてゆくようなところだと思われます。
ただし、その反面、少し身勝手なところがあったり、あちこちで次々と問題を巻き起こしてしまうようなところもあるので、結果としては、他の神々や人々に良いことをしたのか、それとも悪いことをしたのか、よくわからないようなところがあるのと、それから、そうしたヘルメス自身に何らかの意思があるのかないのか、よくわからないところがあることだと思われます。
それでも特にキリスト教社会では、非常に長い停滞期になっていた中世の終わり頃にギリシャ神話が伝わりだすと、それ以前のキリスト教的な神や天使のイメージをかなり明るい方向に改善するような良い面があったので、そうした点では、かなり良いようにも評価されるのですが、ただ結果としての善悪があまりにもよくわからないような話が多いので、その点では、かなり問題が多かったのではないかと思われます。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
2015年1月21日 9:00 PM, ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳
