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常に心穏やかであれ Part 3

④本当の心の穏やかさを身につけるためには、どうしても多少は、厳しい人生の試練を乗り越える必要があるようなところもある

 四つめは、これは正直言って、多少、きついところがあるのですが、本当に心穏やかな人間になるためには、どうしても、その人の人生において、幾つかの厳しい試練のようなものを乗り越える必要があるということです。

 つまり、心穏やかに生きるための基本的なトレーニングをして、その上で、そう簡単には、心揺れないための日頃の心掛けのようなものがあったとしても、人間の人生には、時折、全く思いもしないような、とんでもない苦難や挫折があったりするものなので、そうした苦難や挫折の際に、どれだけ自分の心を穏やかに平静に保てるか、ということが、ある種の試しのような機会として訪れることがあるのです。

 正直言って、これは、どんなに凄いとか偉いとか、素晴らしいと言われるような人であっても、そうした苦難や挫折の際には、かなり大変な思いをしながら努力して、はい上がるような体験をしているのではないか、と私は率直に感じているのですが、そうした人生の苦難や挫折の際に、心穏やかに生き切るための方策としては、だいたい、次のような幾つかのことしか言えません。

 まず一つめは、これは、とにかく自分の身の回りに、何かあった時に、すぐに相談できるような、わりと頼りになる親や先生のような相談できる人や、あるいは、自分の苦悩や間違いを、わりと素直にそのまま告白できるような夫や妻や家族や友人などを持つべきであるということです。

 学校に通っている子供時代だけでなく、できれば、長い人生の間、それぞれの人にそうした人が、常に誰かしらいてくれれば、たとえ、かなり大変な人生の苦難や挫折が訪れたとしても、何とか命をつないで、未来の希望を描いて、生き抜いてゆけるのでしょうが、残念ながら、それが出来ない場合には、病や怪我や過労に陥ったり、あるいは、自殺によって、自ら命を絶つような状況に置かれることは、今日でも、大変多いのではないかと思われます(霊的には自殺は、死後、いろいろな混乱を巻き起こすことが多いので、あまり勧められません。参考)。

 二つめは、これは、今日のような民主主義社会や情報社会において、現在、非常に発達してきていることなのですが、要するに、その人の大変な状況に最も適合するような他の人の経験談を聞けたり、専門家のアドバイスを受けられたり、あるいは、何らかの支援や救済が、速やかに行われるような状況を確保することが、とても大切になります。

 つまり、それぞれの個人の側からすると、できれば、「心の穏やかさ」などと全然考えられないような、あまり大変な状況になる前に、できるだけ最も適切と思われるような窓口を見つけて、自分の身近な人々には、どうにも相談できないような大問題やトラブルを、できるだけ簡単に解決できるような何らかの経験談を聞いたり、専門家のアドバイスを受けたりすることが大事になります。

 ただし、さらにもっと大変な事態になって、もう自分だけの力では、どうにもならないと思った時には、もっと直接的な何らかの支援や救済のための手続きに速やかに入ることが、とても大事になるのではないか、と思われます。

 三つめは、これは「友愛の精神」からの積極的な援助についての話になるのですが、要するに現在、自分は、それほど大変な苦難や挫折に置かれているわけではない、というような、ある程度、仕事や生活に余裕のある人々は、できるだけ仕事や生活の中に、そうした現在、大変な状況に置かれている人々に接点を持って、何かあれば、自分のできる範囲で構わないので、そうした人々に救済やアドバイスの機会を提供してあげるようにしてゆけば、その社会全体として、不幸な人々を、より少なくしてゆけるのみならず、一人一人の人々が、より充実感があり、より幸福度の高い、より良い社会を実現してゆけるのではないか、ということなのです。

 

 このように、一口に「心穏やかに生きる」とか、「試練を乗り越える」と言っても、はっきり言って、現実の社会では、それぞれの人に、いつもいつも、そう簡単にサッサと乗り越えられるような苦難や挫折ばかりが訪れるわけではないので、ここは、わりとドライな態度で考えて、自分一人で乗り越えられるような試練は、自分の力で、しっかり乗り越えてゆくべきだが、その時の自分では、いかんともしがたいような、とてつもなく重い苦難や挫折に打ちのめされた場合には、あまり一人で、くよくよと悩まずに、時には、他の人々の知恵や力に頼ったり、他の人々の愛情や支援を快く受け入れて、人生の再起を図ることも、とても大事なのではないか、ということなのです。

 ただし、そうして自分の人生が、再び、順風満帆に動き始めるようになったのであれば、いつまでも他の人々に、おんぶに抱っこのような生活はせずに、今度は、以前の恩返しとばかりに、少しでも何らかの形で他の人々を助け、他の人々のために役立つようなことをしてゆくことが、人間の人生では、とても大切なのではないか、と私は考えています。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2013年10月30日 9:09 PM, おすすめ記事 / 人生観、世界観 / 宗教、道徳



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