私の文章では、あまり、まともに取り上げたことがないのですが、ただ世間の一部では、時折、いまだに近未来の世界大戦の可能性について述べているような話もあるようなので、ここでは、こうした疑問に手短かに答えたいと思います。
まず結論から言うと、近未来の世界規模の戦争の可能性は、現時点では、ほぼ全くありません。
私の知っている近現代にかけての世界戦争のシナリオで最も多かったのは、21世紀の初頭にかけて、中東の辺りに独裁者の率いる大軍事大国が出てきて、その辺りを戦場にして、アメリカやヨーロッパやロシアや中国などの世界中の軍隊が集まってきて、大戦争をするというようなものがありました(いわゆる「ハルマゲドン」と呼ばれているもののイメージにも、かなり似ています)。
しかし、この歴史のシナリオは、因果関係的には、ナチスに迫害されたユダヤ人の人々が集まって作り上げたイスラエルという国が、中東に登場した後には、ほぼ全くなくなってしまっております。
それというのは、アジアとアフリカとヨーロッパのちょうど真ん中の辺りに、イスラム圏には属さない、わりとキリスト教圏寄りのイスラエルという国ができてしまうと、地政学的には、中東の辺りに、いくら昔の植民地主義の恨みや反動があったとしても、一塊の巨大なイスラム帝国のようなものはできずに、ある程度の広さの地域や民族などで小さくまとまった国々が、たくさん出来るような歴史の流れになってしまったからのようです。
ですから、これはとても不思議な話なのですが、一部のイスラム圏の人々が非常に毛嫌いしている、主にユダヤ人の人々が住んでいるイスラエルの登場によって、大局的には、そうしたイスラム圏の人々も訳の分からない、めちゃくちゃな独裁政治や、全面核戦争や、その後の大混乱や大荒廃には全く巻き込まれずに済むようになったというような、いっけん、ちょっと分かりづらい歴史のパラドックスのようなものが、あの辺りの地域には成立していたということです(まだまだ一部の国々は大変なようですが、最近は中東の国々は、一時期の停滞期を過ぎて、順番に非常に豊かな国に様変わりしてゆきつつあるようですね)。
こうした経緯で、聖書で予言されているような中東の辺りに世界中の軍隊が集まってきて、最終戦争をするというような歴史のシナリオは、現在の時点では、ほぼ完全になくなってしまっています。
Cecye(セスィエ)
2013年6月28日 9:03 PM, Q&A / 予知、予言、未来予測 / 軍事