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多数決の原理について Part 4

2、歴史の古い国では、形は民主制になっていても、よく調べてみると、裏では、ほぼ完全な世襲の身分制による秘密の独裁体制になっていることがあるので、市民の側としては、常に政治家を見る際には、一定期間ごとの選挙公約の実現度や、政治家としての仕事能力の観点から、冷静に厳しく判断してゆく必要がある

 第二には、これは、あまり聞かない話なのではないかと思うのですが、実は、こうした選挙制度でも、うまく行かないことがあるのですが、それは、いったい、どのようなケースなのかというと、これは、たいへん言いづらい話なのですが、実は、何百年もの長い長い歳月の間、ずっと武士や貴族のような人達が世襲制で、その国の統治をしてきたような国では、今述べたような方法にしても、これは、いろいろな政治の裏技があって、はっきり言って、普通の政治の素人には、全く訳の分からないような話になってくるのですが、彼らの二世、三世のような人物に、いつの間にか政治家や官僚のような仕事を独占されて、かなり巧妙な形の隠れ世襲制の国家体制になってゆくことが非常に多いということなのです。

 これは普通の市民には、全く分からないような形で行われることが多い、ちょっと特殊な政治形態の一つであるのですが、要は、よくよく調べてみると、その国を牛耳っている、あの政治家も、あの官僚も、あの裁判官も、その生い立ちを調べてみると、何のことはない、「どこかの政治家の息子や娘が、再び政治家になっている」とか、「どこかの官僚の息子や娘が、再び官僚になっている」とか、「どこかの裁判官の息子や娘が、再び裁判官になっている」というようなケースが、世の中には結構、数多くあるものなのです。

 私は、このような形で政治家や官僚や裁判官になる人がいても、それが普通の人々と全く同じルートを通して、全く同じ公正な関門を通してなったのであれば、それほど問題ないのではないか、と考えているのですが、ただ現実には、こうした人達が多くなってくると、気がつくと、その国は表向きは、しっかりとした民主制の国であるにも関わらず、裏は、完全な秘密の独裁制とか、裏は、完全な身分制みたいな国になってしまうことがあるので、普通の市民の側としては、結構厳しいチェックをしておかないといけない部分があるのです。

 さて、話を戻して、それでは、そのような国において、何とか少しでも優秀な政治家を選出するためには、いったい、どうすればよいのか、というと、これは、たいへん難しいのですが、大体、要約すると、次のような二つの方法が有効であると思われます。

 

①市民の側としては、最低でも三ヶ月ごとに政治家や政党が、立候補時に掲げていた公約が、いったい、どの程度、実現できているか、ということについての評価を行い続ける必要がある

 まず第一には、これは前にも別のところで述べたのですが、とにもかくにも一般市民の側としては、「政治家は、いったん決まったら、もうずっとやってもらうしかない」などとは絶対考えずに、そうではなく、常に最低でも三ヶ月ごとには、その政治家や政党が、立候補時に掲げていた選挙の公約に基づいた政治上の仕事が、しっかり行われているかどうか、ということに関する政治家や政党への市民としての評価を、きっちりと決めることが重要になります。

 

②市民の側としては、政治家を選ぶ際には、単なる知名度ばかりでなく、その政治家の仕事や実績ベースによる結果本意の見方で、正しく評価する必要がある

 第二には、これも前に述べたのですが、とにもかくにも市民の側としては、政治家を選ぶ際に、単に「名前を知っている」とか、「有名な政治家の息子や娘だ」というような基準ではなく、「その人物が、前に政治家になった際には、いったい、どれだけ選挙公約を実現できたのか」とか、「どれだけ、しっかり政治的な仕事ができたのか」というような実務ベースの視点、というか、政治家としての結果本意の見方でもって、その人を正しく評価する必要があるということです。

 それというのは、これも前にも述べたのですが、単に「有名だ」とか、単に「政治家の子供だ」というような理由で政治家を選んでいると、これはよく考えてみないと分かりづらいのですが、はっきり言うと、「大企業では課長や係長も、ろくに勤まらないのではないか」とか、「会社を起業したら、間違いなく失敗するのではないか」というような人物が、気がつくと総理大臣になっていたり、主要な大臣や長官を歴任しているような状況になってしまいがちであるので、これは、はっきり言って、たいへん申し訳ないのですが、そのような形の政治体制になっていると、いつまで経っても政治家が、官僚を初めとする役人達をうまくリードしながら、コントロールしてゆくことができないとか、いつまで経っても外国のビジネスマン出身みたいな政治家や閣僚達と交渉させると、相手の言いなりになってしまうなどというような状況になりがちであるからなのです。

 それゆえ私は、こうした政治システムの場合には、以上のような二つの点を、その国の市民としては、よくよく厳しくチェックする必要があるのではないか、というように考えております。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2011年10月15日 9:16 PM, 政治 / 社会、文化



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