子供には、15歳ぐらいまでに200〜300ぐらいのいろいろな職業の知識や体験を与えて、将来の職業選択が、より良いものにできるように親が、しっかりとサポートすべきである
それでは、こうした現在の日本の学校制度の中で、いかにして自分や自分の身の回りの子供達だけは、少しでも、より良い未来の状況を築いてゆけるようにしてゆくか、ということなのですが、私は、先ほど述べたように少なくとも、いざ就職の際とか、いざ社会に出てから突然、自分の人生や将来について真剣に考え始めて、慌てふためくような人生の状況を回避するために多分、今の時点で最善であると思われる選択は、高校進学の前まで、つまり15歳ぐらいまでに、その人が将来、「自分は、この仕事が、本当にやりたかったんだ」とか、「自分は、この仕事に就いて、本当に良かった」と思えるような職業選択のために、最低でも10歳から15歳ぐらいまでの間に、できるだけ多くの仕事、できれば、200から300ぐらいのいろいろな仕事の具体的な内容について、子供達に本で読ませたり、テレビで観せたりするか、さらには、できれば、実際の仕事場を見せたり、実際に体験させたりして、将来の職業選択のための具体的な知識や体験を得るための機会というものを、しっかりと子供達に与えるべきであるということなのです。
200〜300というと、いっけん、ちょっと大変そうに感じられる方も多いのではないか、と私は思うのですが、しかし、10歳から15歳ぐらいの間ということであれば、大体、1週間に一つぐらい、そうした現代の社会で、実際に働いている人達のいろいろな仕事の内容に関するテレビやビデオのようなものを観せてあげれば、それで十分ですし(1年間で大体、50種類、5〜6年で、ちょうど200〜300種類になる)、また、そうした職業に関する本のようなものも本屋や図書館などで探せば、いくらでもあるので、そうした本を買ってきたり、借りてきたりして読ませてあげれば、それでも良いですし、また、もし、ちょっと本を読まなさそうなタイプのお子さんでしたら、「これ読んだら、ちょっと、おこづかいあげる」とか、「このご褒美あげる」などと言って、ちょっとした金額のお小遣いや、ご褒美を用意してあげれば、多分、ほとんどの子供達は喜んで、そうした本を読むのではないか、ということです。
いろいろな職業の人達の仕事や生活に関する、ある程度の知識や理解をしっかり持っているというのは、大人にも必要な一種の教養である
こうした職業の知識や体験を与えておかないと、私達の世代の多くの人々がそうであったように、自分の知っている仕事の中身というのは、小さい頃から見ていた身近な親や親戚や近所のお店や工場などの仕事ぐらいか、もしくは、テレビやマンガや小説などで知っている仕事ぐらいで、それ以外は、はっきり言って、「就職してから後に初めて、こんな仕事があることを知った」とか、「自分や友人の仕事や、その関連の仕事の内容ぐらいなら大体分かるが、後は誰が、どこで、一体どんな仕事をしているかなんて、自分は、さっぱり分からない」などというような状況になってゆきがちであるので、これは、はっきり言って、大変申し訳ないのですが、この程度の職業知識しか持っていないような人が、本当に自分の好みや能力に一番見合った職業に就いているかなんて、誰にも断定できないでしょうし、それから、その程度の職業知識しかない人達が、非常にたくさんの職種の人達の大きな連合集団である国家のチーフ選び、つまり、政治家選びというものを、よく訳も分からないような状況で選挙になるたびに突然、「今すぐ決めろ」などと迫られることになるから、いつまで経っても、なかなか政治や経済の混乱や低迷が収拾しないような状況が続いてゆくのではないか、というように私は率直に感じています。
このように私は、できれば、自分や自分の身の回りの子供達には、15歳ぐらいまでに大雑把でもいいから、200〜300程度の職業に関する具体的な知識や体験を与えることは、非常に大切であると考えているのですが、それと同時に、本当は現代のような民主主義の国家としては、それぞれの市民が、それくらいの職種の人達の仕事や生活に関する、ある程度の知識や理解がないようでは、それをよいことに、どこかの誰かの適当な批判や言い逃れを大多数の人達が、そのまま何も考えずに受け入れさせられ続けるような一種の無責任国家になってしまったり、あるいは、一部の隠れた独裁階級のような人々に、いつの間にか政治や経済が、影から牛耳られてしまうような一種の間接独裁国家のような状況に持っていかれがちなのではないか、ということなのです。
Cecye(セスィエ)