それで、ここからは多少ややこしくなってくるのですが、たいていの人は、自由貿易というと、基本的に世界中の国々の間で、自由に商品やサービスの売り買いができる、というような認識を持っていることが多いのではないか、と思われます。
しかし、ここで非常に大事なことがあって、それというのは、そうした自由貿易の場で、決済に使われている通貨は、どこの国の通貨でもよいわけではなくて、基本的に相手の国や企業や個人が喜んで、信頼して受け取ってくれるような通貨でないと、そもそも、そうしたビジネス自体が成り立たないということなのです。
そうすると最近はだんだん、いろいろな通貨が使えるようになってきているようなのですが、現在の世界では、基本的にどこの国でも支払いにも、また受け取りにも喜んで信頼して使われているのが、みなさんもよくご存知の「アメリカドル」ということになっているわけです(最近は、やや信頼感が下がってきているようですが・・・)。
ところが、ここで問題なのは、例えば、どこかの国の商品やサービスを買って、アメリカドルを支払うと、そうして買った国や企業や個人が持っているアメリカドルはどんどん減ってゆくわけなので、基本的には、どんな国や企業や個人であっても、無限に外国から商品やサービスを買うことはできないようなところがあるということです。
そうすると当然、アメリカドルを十分に持っていない国や企業や個人は、たとえ自由貿易の制度があっても、また、どんなに大変な必要があって、何か外国から商品やサービスを買いたいと思っても、アメリカドルの無償の援助があるか、あるいは、アメリカドルの借金でもしない限りは(最近だと外国から投資してもらうケースも増えてきているようですが・・・)、外国から何も買えなくなってしまうので、それでどの国も、また場合によっては、そうした国の企業や個人も、外国から何か商品やサービスを買いたい場合には、それに必要なアメリカドルを得るために、何か外国で必要とされるような農作物や鉱物や製品などを作って、外国に売ってゆかなくてはならなくなるわけです(一般には、よく「外貨を稼ぐ」などと言われています)。
そして、それぞれの国が、何らかの商品やサービスを売って、儲けて得たアメリカドルの金額の範囲内でだけ、アメリカも含めた世界中のたくさんの国々から、好きなだけ様々な商品やサービスを買うことができるのですが、しかし、もし、それで足りない場合は、今述べたようにアメリカドルの無償の援助を受けた金額の範囲内でだけ、あるいは、他の国からアメリカドルを借りれた金額の範囲内でだけ、他の国々から様々な商品やサービスを買うことができるような仕組みになっているわけです。
※ですので、その国に外国に輸出できるような有力な産業がない場合は、外貨が稼げず、なかなか外国からの輸入も少なくなるようなところがあるわけです。
Cecye(セスィエ)
2025年4月16日 9:04 PM, 政治 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済