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人間が、「わかる」ことと「わからない」ことの知的な境界について Part 3

3、多くの人々の間で、より簡単にスムーズな「わかる」、「わかり合える」状況を作るためには、少しでも多く、多くの人々の間で、ある程度共通した知識や経験や情報の共有が重要になってくる

 三つめは、これは多少難しいところもあるのですが、このような形で多くの人々が、物事が、より「わかる」ようになるためには、どうしてもそれ以前に、そうした「わかる」ための基礎的な知識や体験や情報のようなものが必要となるので、そうした基礎的な知識や体験や情報のない人がいる場合には、たとえ、ほぼ同じような「わかる」ための機会を得たとしても、なかなか同じような感じで「わかる」状況になるとは限らない、というような少し難しい問題が発生することがあります。

 つまり、多くの人々の間で、一見、ほぼ同じような感じで物事を理解しているように思われたとしても、実際には、それぞれの人のそれまでの知識や経験や情報の差によって、かなり大きな理解の差が生じることがあるので、そうすると、ある程度同じような立場に立って、お互いに意見の交流がしたいとか、あるいは、何らかの共通基盤の上に立って、ほぼ同じような一つの共同体の中で生活してゆきたいと考えているような場合には、そうした人々の間で、ある程度同じような内容の知識や体験や情報の共有が、どうしても必要になってくるようなところがあるのです。

 そうしたほぼ同じような知識や体験や情報の共有の場として、例えば、現在、みなさんが生活している「日本」という国であれば、昔は、それぞれの年や地方の日々の労働や伝統行事などが、そうした知識や体験や情報の共有の場になっていたのでしょうが、それが近現代になると、小中学校からの学生生活や、それから後の社会人になってからの仕事や生活や、また本やマンガや、テレビやラジオやインターネットなどが、そうした知識や体験や情報の共有の場になってきているのではないか、と思われます。

 要は、そうした形で、多くの人々の間で、ある程度共通した知識や経験や情報のストックのようなものがないと、多くの人々の間で、なかなかスムーズなお互いの理解や意見の交換ができないようなところがあるので、注意が必要なところがあるようなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年12月2日 9:03 PM, 知恵、正しさ



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