Light Symbol

戦前戦中の「大日本帝国」と戦後の「日本国」の違いについて Part 9

 第六には、戦前の日本は、欧米とは、できるだけ協調路線をとりながら、近隣のアジアや太平洋の島々に覇権を広げるというような、一般に「軍国主義」とも呼ばれるような非常に軍事色の強い国家政策を持っていたのですが、戦後の日本では、侵略戦争は、ほぼ完全に否定されるようになったので、軍事力は必要最低限の規模にして、すべての国民が平和主義の下で物質的にも精神的にも、より豊かな生活を目指すような「平和国家」の国家政策に大きく変わっています。

※明治時代の大日本帝国の戦争は、どちらかというと、当時の日本本土を植民地化させないための防衛的な目的が大きかったようなのですが、昭和時代に入る頃になると、だんだん中国本土やアジアに積極的に直接の領土や間接的な支配地域を広げるような非常に侵略的な軍事政策に変わっていっています。

※実際、大日本帝国時代は、最初は戊辰戦争や西南戦争のように国内での内戦が多かったのですが、以後は日清戦争、日露戦争から始まり、やがて第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変、日中戦争、第二次世界大戦(太平洋戦争)と80年近く、ずっと戦争が続いていたようなところがあったのですが、戦後の日本国になってからは、国連の平和維持活動に参加するなど間接的な形で多少戦争に参加したことはあったのですが、少なくとも、ここ70年、日本が積極的に戦争を行ったことはないし、また現在のような国際連合の枠組みや日本国の体制がそのまま続く限りは、今後も日本が積極的に戦争に巻き込まれることはないような状況になっています。つまり、もっと単純に言うと、大日本帝国時代は80年近く、ずっと戦争がひっきりなしに続いていたようなところがあったのですが(特に昭和期になると、ずっと戦争が継続して止まらなくなったようなところがあります)、それが戦後、日本国になってからは、現在までの70年間、基本的に戦争には直接参加していないし、また特に大きく巻き込まれたこともないというような、かなり本当の意味での平和国家に変わってしまったようなところがあります。

※ですから、もし大日本帝国がそのまま続いていた場合には(特に昭和期のように戦争をずっとひっきりなしに続けようとするような国家体制の場合には)、その後も、ずっと戦争し続けているような国の状態になった可能もあります。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年7月6日 9:02 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 軍事



«

»

おすすめ記事

過去の記事