2、国民が、選挙の際のポイントにすべきなのは、「その政治家や政党が、今、いったい何を言っているか」ということではなくて、「その政治家や政党が、過去に言ったことが、いったいどれだけ実現できているか」ということと、「現在、その政治家や政党が言っていることが、将来、どれだけの確実さで実現できるか」ということである
第二には、国や地域の政治を、あまり特別なものというような見方をせずに、単なるお金の投資や経営のように考えて、いったいどのような政治が良いのか考えてみたいと思うのですが、要は単純に考えて、多くの人々が払った税金が、最も有効に使われて、できるだけ多くの人々が、より良い生活ができると共に、長い目で見て、最も高いリターンが期待できるような政治が最も良いのではないか、と考えられるのですが、そうやって考えてみると、一般的なマスコミの見解とは違って、現在の政治で最も問題があるのは、次の二つのことなのではないか、ということです。
第一には、経済的には、どの企業でも、最低でも数年分の企業活動の目標と、その具体的な成果は、すぐに誰でも分かるように発表しているのですが(そうしないと誰も怖くて、企業の株なんて買えませんから・・・)、現在の日本の政治だと、「その政治家や政党が、長期的に、いったい何を政治目標にしていて、いったい何が実現できたのか」ということが、はっきり言うと、何が何だかよく分からないようになってしまっているということです。
第二には、これも単純なことなのですが、マスコミの報道を見ていると、政治の世界は、何だかいつも問題だらけで、何も解決していないような印象を受けるのですが、これだと、いざ選挙の時になっても国民の側としては、「いったいどの政治家や政党が有能で、良い政治家や政党なのか」、それから、「いったいどの政治家や政党が無能で、ダメな政治家や政党なのか」ということが、はっきり言って、すっかり分からなくなってしまうようなところがあるのです。
ですから、こうした点から考えると、実は、多くの国民にとって、選挙の際に大切なのは、現在の政治家や政党の言っていることではなくて、「前の選挙の時に、その政治家や政党が言っていたことが、現在の選挙までに、いったいどれくらい実現できていたか」ということと、それから、「現在、その政治家や政党が言っていることは、将来、どれくらいの確実さで実現できるのか」ということに尽きてくるのです。
これは喩えて言うと、普通、株式投資の際には、現在のその企業の経営者の発言だけでなく、たいていの場合は、過去から現在までの実際のその企業の経営実績と、それから、かなり確実な、その企業の将来の実績の予測を重要視するはずなのですが、そうした観点から見ると、要するに政治の世界であっても、国民の側としては、過去から現在までの、それぞれの政治家や政党の発言と実績をしっかり知っていることと、それからその上で、できれば、かなり確実な、それぞれの政治家や政党の将来の実績の予測をあらかじめ知っていない限りは、本当は正しい政治家や政党選びなんて、できるはずないのではないか、ということなのです。
Cecye(セスィエ)