つまり、多くの人々の政治の世界についての単純な思い込みとはかなり違って、与党的な立場で政治を運営してゆこうとすると「普通の仕事と違って、時間はかかるのだが、憲法や法律や、これまでの政治的なノウハウから、どうしても今のような民主政治を行い続けるには、こういうやり方をするしかない」「野党の時と違って、政府の大臣になると、すぐに全国的なニュースとして報道されるので、そんな気軽に適当なことなんて、言えなくなってくる」「予算を削減しろと言われても、今日の生活に困っている人達や病気で苦しんでいる人達のための予算なんて、そんな簡単に減らせるものじゃない」「大臣の仕事なんて、ほとんどニュースにもならないような地味な仕事が多いのだが、一つ一つ真剣に、かなりきっちりした判断や行動を積み重ねてゆかないといけないものが多い」「自分の評判は多少悪くなるかもしれないが、これは政治家として、かなり毅然とした態度でやらないといけない、とても重要な政治的な課題だ」などというように、はっきり言ってしまうと、多くの普通の人々がイメージしがちな、とにかく多くの人々の前で雄弁に喋っていて、他の人々と会ったり、一方的に命令できるような政治家の仕事なんて、ほとんどなくて、かなり細かい話を詰めて、最終的な決裁をつけたり、他の政治家や官僚と現在の正確な状況を確認したり、憲法や法律との整合性をしっかり確認した上で、時々、必要に応じて、人前に立って、大事な発表を行ったり、練りに練った発言をする」などというように、はっきり言ってしまうと、選挙の際の政治的なパフォーマンスと、実際の政治の仕事には、かなり大きな違いがあるものなのです。
※選挙の際に、野党的な候補者や政党が優勢な場合、まるで、それまで与党的な立場の政治家や政党は、全く無策で何もしていなかったかのような印象になりがちなようです。ところが政府や議会の運営というのは、止めるわけにはいかないので、よく調べてみると、そうした間にも与党的な立場の政治家や政党は、ずっとコツコツと様々な成果や実績を積み上げていることが多いようです(野党的な立場の政治家や政党も、そうした政治的な成果や実績を上げていることもありますが・・・)。ですので、そうした選挙の際には、単に言葉だけでなく、それまでの与党の政治家や政党の政治的な成果や実績についても、もう一度、冷静に評価し直すことが大事になるのではないでしょうか。
Cecye(セスィエ)