2、貿易赤字がもたらす問題と、貿易黒字がもたらす課題について
二つめは、普通、どの企業や家庭、個人であっても、お金が入ってくる金額よりも、お金を使っている金額の方が多い、いわゆる赤字の状態よりも、お金を使う金額よりも、お金が入ってくる金額の方が多い、いわゆる黒字の状態の方がよいに決まっていると思われているので、ここでは国の貿易上の黒字と赤字の問題、つまり、本当に貿易赤字よりも、貿易黒字の方がよいのか、ということについて、考えてみたいと思います。
これも、もうすでにたくさんの経済の専門家の方々が述べているような内容なので、細かな説明は割愛したいと思うのですが、ここでは、幾つかの例をあげながら、こうした問題について、考えてゆきたいと思います。
まず一つめは、農作物が豊富に採れたり、石油や鉱物などの資源がたくさんあったり、工業が非常に盛んであったりして、海外に農作物や石油や鉱物や、工業製品などをたくさん輸出しているような国について、考えてみたいと思うのですが、こうした国の場合、その国の得意な産業で貿易黒字になっていて、それでその国に必要な食料や資源や工業製品などを、海外から十分に手に入れられているような状況になっているのであれば、単純に貿易の面で見た場合には、経済的には、わりと良好な状態にあると客観的に判断されるのではないか、と思われます。
ただし、こうした貿易黒字の国であっても、はっきり言って、それぞれの細かい内訳を見ると、その国の得意な生産物を輸出している国々に対しては、たいてい黒字になっているかもしれないのですが、しかし逆にその国が必要としている農作物や石油や鉱物や工業製品などを輸入している国々に対しては、ずっと赤字になり続けていることも多いようです。
しかし、こうした国の状況の場合には、そうした貿易赤字は、それほど問題と考えていないことが多いようです(その国で必要としているものなので・・・)。
ですので、トータルで貿易黒字が多い国であったとしても、それぞれの国との貿易関係を見ると、ある国とは貿易黒字になっていても、別のある国とは、ずっと貿易赤字になっているなどというようなことも、よくあることであるようです。
Cecye(セスィエ)
2025年5月1日 9:03 AM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済