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現在のトランプ氏の関税政策について Part 16

 それから四つめは、外国に輸出できるような農産物や鉱物資源や石油や工業製品のようなものが十分にあったり、あるいは、そうしたもの以外のインターネットやソフトウエアなどの売り上げや、金融や知的財産などの収入がたくさんあったりして、貿易収支だけでなく、国家の収支(経常収支)が、総合的に黒字になっているような国の状況について、考えてみたいと思います。

 たいてい、こうした国の場合には、国家や国民の資産は、どんどん増え続けてゆくことが多いと思われるのですが、ただ時間と共に、だんだん通貨の価値が上がってゆき、他の国々と比べると、相対的に様々な商品やサービスの価格も高くなっていってしまうので、だんだん海外には売りづらくなって、逆に海外からの価格の安い商品やサービスの輸入が増えていったり、人件費の上昇や価格競争などの理由で、海外に工場が移転していったり、海外に販売拠点が、どんどん増えてゆくことが多いようです(海外に工場や、販売や研究開発の拠点を増やしてゆくケースも多いようです)。

※つまり、そうした国の企業は、海外に工場が移転するだけでなく、販売先も海外にどんどん増えてゆくことが多いので、総合的に売り上げや利益は多くなってゆくことが多いようです。

 つまり、「絶対に貿易赤字はダメで、絶対に貿易黒字でなくてはならない」などと考えていても、あまりに黒字が多いと通貨も高くなって、海外に売れづらくなっていったり、逆に輸入が増えてきたりするものなので、要はトータルで、その国の経済を見た際に、ある程度良い状態になっていて、また将来的にも、そうした良い状態が続けてゆく、というような予測がしっかり成り立っているのであれば、それでよしとする、という程度に貿易上の黒字や赤字は考えてゆけばよいのではないか、ということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年5月7日 10:04 PM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 15

 三つめは、特に外国に輸出できるような農産物や鉱物資源や石油や、工業製品などがあまりないだけでなく、その国の人々が生活してゆくために必要な食料などの生活必需品さえ、十分に生産できていないために、外国から食料などの生活必需品を買ったり、また援助などで貰い受けて、なんとかやりくりしているような国の状況について、考えてみたいと思います。

 はっきり言って、こうした国の場合の貿易赤字は、どう考えてみても、かなり問題で、現実にその国の人々の生活に大変な困難を巻き起こしているような状況になっていることが多いと思われるので、何らかの緊急の対応が必要になってくるのではないか、と思われます。

※こうした国であっても、結構、たくましく普通に生活していることもあるものなのですが、要するに失業者が多かったり、インフレがひどかったり、治安が悪かったり、貧困や生活難がひどくなっている場合には、政治的、経済的には、何らかの対応が必要になっているのではないか、ということです。

 

 世界の国々の中には、その国の人々が政府をほとんど信頼していない、というよりも、ほとんど頼りにすることすらできないような状況になっていることもあるのですが、そうした国の場合には、貿易収支のような正確な経済統計を把握するどころか、その国の人々が自国の通貨をほとんど信頼せずに、ドルなどの他国の通貨を使っていたり、物々交換を行なっていたりすることもあるようです(最近は、電子的な決済も増えてきているようですが・・・)。

 それゆえ、そうした場合には、貿易収支の問題というよりも、それ以前に国民の教育水準を上げたり、政府の統治能力を高めたりする中で、もう少し、しっかりした国家の営みを作り上げてゆく必要があるのではないか、と思われます。

※理屈的には、世界中の統計を合わせると、企業の会計のようにかなりぴっちりと数字が合うはずなのですが、しかし世の中には、そうした形できっちり把握されていない物やお金の流れもあるわけで、そうした国や地域の場合には、そもそも貿易などの統計は、いったい、どの程度きっちり合っているのかどうか、という問題が出てくるようです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年5月7日 10:03 PM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 14

 二つめは、食料の自給率が低かったり、石油や鉱物資源があるわけでもなく、また、あまり工業製品などの輸出もなかったりするのですが、例えば、金融やインターネットやソフトウエアや、コンテンツ産業などで稼いでいるような国について、考えてみたいと思います。

 こうした国の場合、たいてい、ずっと貿易収支は赤字になっているのですが、しかし、それ以外のサービス収支や所得収支などで黒字になっていて、また食料や資源、エネルギーなどの面においても、特に安全保障上、それほど問題ない場合には、全体の収支(経常収支)としては、黒字になっているので、国家や国民の営みとしては、それほど問題がないということが言えるようです。

※現在の日本は、アメリカに対しては、貿易黒字になっているのですが、総合的には貿易赤字になっていて(サービス収支も赤字)、企業の海外進出による投資などの収益で、何とか所得収支が黒字の国に変わってきているようです。

※それから、それぞれの国の歴史や、国民性によって、他の国の人々には少しわかりづらい、その国独特の性質ができることがあるようです。例えば、アメリカ人の人々から見ると、食料や資源、エネルギーは豊富にあるので、世界中の人々も同じようにそうしたものなのではないか、などと考えることが多いようなのですが、ところが国によっては、昔、食糧危機やエネルギー危機があったり、経済危機や過酷なインフレが起きたり、また、とんでもない戦争の加害や被害があったような国民的な経験があると、そうしたことに関しては、かなり神経質に反応してくることも多いようです(私も子供の頃、昔は戦争や生活難や食糧難が大変だった、とよく聞かされたものです)。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年5月1日 9:04 PM, 歴史 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 13

2、貿易赤字がもたらす問題と、貿易黒字がもたらす課題について

 二つめは、普通、どの企業や家庭、個人であっても、お金が入ってくる金額よりも、お金を使っている金額の方が多い、いわゆる赤字の状態よりも、お金を使う金額よりも、お金が入ってくる金額の方が多い、いわゆる黒字の状態の方がよいに決まっていると思われているので、ここでは国の貿易上の黒字と赤字の問題、つまり、本当に貿易赤字よりも、貿易黒字の方がよいのか、ということについて、考えてみたいと思います。

 これも、もうすでにたくさんの経済の専門家の方々が述べているような内容なので、細かな説明は割愛したいと思うのですが、ここでは、幾つかの例をあげながら、こうした問題について、考えてゆきたいと思います。

 まず一つめは、農作物が豊富に採れたり、石油や鉱物などの資源がたくさんあったり、工業が非常に盛んであったりして、海外に農作物や石油や鉱物や、工業製品などをたくさん輸出しているような国について、考えてみたいと思うのですが、こうした国の場合、その国の得意な産業で貿易黒字になっていて、それでその国に必要な食料や資源や工業製品などを、海外から十分に手に入れられているような状況になっているのであれば、単純に貿易の面で見た場合には、経済的には、わりと良好な状態にあると客観的に判断されるのではないか、と思われます。

 ただし、こうした貿易黒字の国であっても、はっきり言って、それぞれの細かい内訳を見ると、その国の得意な生産物を輸出している国々に対しては、たいてい黒字になっているかもしれないのですが、しかし逆にその国が必要としている農作物や石油や鉱物や工業製品などを輸入している国々に対しては、ずっと赤字になり続けていることも多いようです。

 しかし、こうした国の状況の場合には、そうした貿易赤字は、それほど問題と考えていないことが多いようです(その国で必要としているものなので・・・)。

 ですので、トータルで貿易黒字が多い国であったとしても、それぞれの国との貿易関係を見ると、ある国とは貿易黒字になっていても、別のある国とは、ずっと貿易赤字になっているなどというようなことも、よくあることであるようです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年5月1日 9:03 AM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 12

 それでは、こうしたことから、いったいどのようなことが言えるのか、というと、だいたい次のような内容になります。

 

1、実際の多くの国々の間のビジネスやお金の動きには、貿易以外のものも、結構たくさんあるものである

 まず一つめは、これはよく考えないとわかりづらいのですが、こうした商品の輸出入と通貨の関係になっていると、はっきり言って、どんな国であっても、かなり長い年月に渡って、ずっと貿易黒字が続いているとか、あるいは、ずっと長く貿易赤字が続いているような状況というのは、何か貿易以外の金融業であるとか、ネットやソフト関係の産業や、映画や音楽のようなエンターティンメント産業などの具体的な商品が関わっていない輸出産業があったり、それ以外のお金の動きがなければ、基本的に理屈上は続かないことになるということです。

 ですので例えば、アメリカも数字上は、たくさんの貿易赤字があることになっているのですが、そうでないところで、アメリカから、たくさんお金が流れていって、そのお金でアメリカから、たくさん何かを買い続けていたり、また逆にアメリカ企業が様々な事業で売り上げを上げて、アメリカにたくさんお金が戻ってきたりしていたので、現在のような世界経済がうまく成り立っていたようなところがあったのです。

 つまり一般に貿易上の「黒字」や「赤字」というのは、一定期間ごとの、それぞれの国の間の「商品」の売り買いにおいて、ある国と別のある国の間では、いくら多くて、いくら少ないとか、あるいは、ある国全体で見ると、いくらである、などというような総合的な決算のようなものであるわけです

 ところが、実際のそれぞれの国の間のビジネスや通貨のやり取りというのは、そうした物だけで完結しているのではなくて、例えば、お金の貸し借りや投資や、為替の取引などに伴うお金の移動や、具体的な物ではない、インターネット上の売り上げや、ソフトウエアの売り上げや、映画や音楽や書籍や特許使用料などの知的財産権の売り上げや、観光や出稼ぎに伴うお金の動きなどというように、実際の物ではない売り上げや、投資や、お金の貸し借りなどに伴うお金の動きというものも、結構たくさんあるものなのです。

※これらは現在の「国際収支統計」では、貿易上の黒字や赤字を表す「貿易収支」ではなく、それぞれの国の間の「サービス収支」や「所得収支」や「経常移転収支」などとして、別に分類されているようです。

 ですので、実際の国と国の間のお金のやり取りというのは、単純に商品の売り買いを主に扱う貿易上の黒字、赤字という数字だけではよくわからないところがあるようなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月26日 9:04 AM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 11

 二つめは、ここでは、まずは一般的な内容として、二つ以上の国々の間の貿易関係について、考えてみたいと思うのですが、例えば、A国がB国に何らかの商品を輸出した場合には、先ほども述べたようにA国からB国に商品が送られて、逆にB国からA国にその代金が、アメリカドルで支払われることになります(別の通貨の場合もありますが・・・)。

※統計上、サービスは別扱いされるようなので、ここでは「自由貿易」ではなく、主に商品の輸出入に関わる「貿易」について、述べています。

 それで次には、A国からB国への商品の輸出が非常に多い場合について、考えてみたいと思うのですが、そうすると、先ほども述べたようにB国からA国へのアメリカドルの支払いには、どうしても一定の限度があるので、基本的には、アメリカドルの無償の供与があるか、あるいは貸してもらえない場合には、いくら自由貿易の制度があっても、B国としては、それ以上の輸入はできなくなってしまうようなところがあります(ただし様々な事情で、ただでもらえることはあるかもしれないのですが・・・)

 さらに今度は例として、日本とアメリカの間の貿易について、考えてみると、日本からアメリカへの輸出の場合、日本の商品をアメリカに送って、アメリカの企業や個人などからアメリカドルの支払いを受け取ることになるので、日本の企業や金融機関などには、アメリカドルがたくさん溜まってゆくことになるのですが(日本円に交換することも多いとは思いますが・・・)、しかし逆にアメリカから日本への商品の輸入の場合、アメリカの商品を日本の企業や個人が受け取って、何らかの手段で日本円からアメリカドルに換えて、支払うことになるので、その結果、日本の企業や金融機関などからは、アメリカドルがどんどん減ってゆくことになるわけです。

 そうすると、ここで現在のような変動相場制の経済システムの場合には、アメリカドルと日本円の交換の際に、そうしたそれぞれの通貨の需要と供給の状況に応じて、日本から見るとアメリカドルの値段(アメリカから見ると、日本円の値段)が、その時々で、様々な原因でころころ変わってゆくようになるわけです。

 ですので、こうした現在のような経済システムの場合、本当は貿易赤字が多い国は、だんだん通貨の価値が下がってゆき、貿易黒字の国から輸入ができなくなってゆくのですが(相手の国の商品の値段がだんだん高くなってゆくので・・・)、ところが逆に貿易赤字の国の商品は、相対的に値段が下がるので、だんだん輸出が増えるようになってゆく、というような仕組みになっているわけです。

 逆に貿易黒字の多い国は、だんだん通貨の価値が上がってゆくために、輸出する商品の値段も上がって、輸出しづらくなるのですが、逆にそうした国では、相対的に貿易赤字の国の商品の値段は下がるので、輸入が増えるようになってゆく、というような仕組みになっているわけです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月26日 9:03 AM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 10

 それで実際の貿易は、もっと複雑な難しい手続きがあるものなのですが、先ほどから述べているようなアメリカドルと、それぞれの国の通貨の交換の際には、普通のビジネスと一緒で、それぞれの通貨の需要と供給のバランスに基づいて、例えば、ある国の通貨はあまり欲しがられていないけれども、アメリカドルはどうしても欲しいというような状況では、相対的にある国の通貨の価格は安くなって、アメリカドルの価格が高くなっていったり、また逆にアメリカドルと比べて、ある国の通貨の方が断然需要があるような状況では、相対的にそのある国の通貨の価格は高くなって、アメリカドルの価格が安くなる、などというようなアメリカドルと、それぞれの国の通貨の間の相対的な交換レートの変化が起き続けてゆくようなところがあるわけです。

 そうすると、ここでは、いったい何が言いたいのか、というと、要するに現在の世界のような自由貿易の体制の中では、自由貿易ができるからといって、実際には、何でも好きな商品やサービスを、好きなだけ売り買いできるのではなく、相手の国や企業や個人が喜んでOKしてくれる通貨の支払いがどうしても必要で、現在の世界では、それが国際基軸通貨とも言われる「アメリカドル」になっていることが多いということです。

 また、そうした国際的な自由貿易に参加するためには、そうした貿易で決済するためのアメリカドルなどの通貨を、何らかの商品やサービスを売ることによって、十分に手に入れ続けていなくてはならないようなところがあるということなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月18日 9:03 PM, 政治 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 9

 それで、ここからは多少ややこしくなってくるのですが、たいていの人は、自由貿易というと、基本的に世界中の国々の間で、自由に商品やサービスの売り買いができる、というような認識を持っていることが多いのではないか、と思われます。

 しかし、ここで非常に大事なことがあって、それというのは、そうした自由貿易の場で、決済に使われている通貨は、どこの国の通貨でもよいわけではなくて、基本的に相手の国や企業や個人が喜んで、信頼して受け取ってくれるような通貨でないと、そもそも、そうしたビジネス自体が成り立たないということなのです。

 そうすると最近はだんだん、いろいろな通貨が使えるようになってきているようなのですが、現在の世界では、基本的にどこの国でも支払いにも、また受け取りにも喜んで信頼して使われているのが、みなさんもよくご存知の「アメリカドル」ということになっているわけです(最近は、やや信頼感が下がってきているようですが・・・)。

 ところが、ここで問題なのは、例えば、どこかの国の商品やサービスを買って、アメリカドルを支払うと、そうして買った国や企業や個人が持っているアメリカドルはどんどん減ってゆくわけなので、基本的には、どんな国や企業や個人であっても、無限に外国から商品やサービスを買うことはできないようなところがあるということです。

 そうすると当然、アメリカドルを十分に持っていない国や企業や個人は、たとえ自由貿易の制度があっても、また、どんなに大変な必要があって、何か外国から商品やサービスを買いたいと思っても、アメリカドルの無償の援助があるか、あるいは、アメリカドルの借金でもしない限りは(最近だと外国から投資してもらうケースも増えてきているようですが・・・)、外国から何も買えなくなってしまうので、それでどの国も、また場合によっては、そうした国の企業や個人も、外国から何か商品やサービスを買いたい場合には、それに必要なアメリカドルを得るために、何か外国で必要とされるような農作物や鉱物や製品などを作って、外国に売ってゆかなくてはならなくなるわけです(一般には、よく「外貨を稼ぐ」などと言われています)。

 そして、それぞれの国が、何らかの商品やサービスを売って、儲けて得たアメリカドルの金額の範囲内でだけ、アメリカも含めた世界中のたくさんの国々から、好きなだけ様々な商品やサービスを買うことができるのですが、しかし、もし、それで足りない場合は、今述べたようにアメリカドルの無償の援助を受けた金額の範囲内でだけ、あるいは、他の国からアメリカドルを借りれた金額の範囲内でだけ、他の国々から様々な商品やサービスを買うことができるような仕組みになっているわけです。

※ですので、その国に外国に輸出できるような有力な産業がない場合は、外貨が稼げず、なかなか外国からの輸入も少なくなるようなところがあるわけです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月16日 9:04 PM, 政治 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 8

 三つめは、これはかなりよく考えないと、なかなか、わかりづらい内容になるかもしれないのですが、かなり簡単に要約すると、だいたい次のような内容になります。

 現在の世界の経済の基本になっている自由貿易の原理や、その長所や短所については、また別の機会に述べたいと思うのですが、現在までのトランプ氏の言動を聞いていると、「アメリカが貿易赤字を出すことはとても悪いことで、逆にアメリカが貿易黒字をあげることはとても良いことだ」、また、「アメリカが貿易赤字を出している国はみんな悪くて、逆にアメリカが貿易黒字を出している国は、アメリカにとって、とても良い国だ」というような理屈を、非常に強い信念をもって述べていることが多いようです。

 それで、ここではそうした内容について、本当はかなり長い説明が必要なところをかなりはしょって、できるだけ手短かに簡単な説明をしてみたいと思うのですが、だいたい次のような三つのことが言えます。

 

1、国際的な自由貿易と通貨の関係について

 まず一つめは、今から百年ほど昔に世界恐慌が起きて、世界中の多くの人々が大変な不況に苦しんだことや、さらにその後、それが間接的な原因になって、世界大戦となって、非常に大きな被害が起きたことへの強い反省から、第二次世界大戦後、現在のような世界規模の自由貿易の体制が築かれてゆきました。

 それは、いったいどのようなものなのか、というと、かなり簡単にまとめて述べると、要するにある国や、ある国の企業や個人が、別のある国や、そのある国の企業や個人から適正な値段で買いたいと希望した商品やサービスは、途中でそれぞれの国の産業を保護するような目的で関税がかかったり、品質や数量が制限されたり、また場合によっては、軍事的な問題や、人権や自然環境に害があるなどの理由で拒絶されてしまうこともあるのですが、原則、その国や、その国の企業や個人は、相手が希望する通貨を支払える範囲内であれば、自由に買って、手に入れることができる、あるいは、逆の立場からすると、売ることができる、というような制度になっているわけです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月16日 9:03 PM, おすすめ記事 / 政治 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済

現在のトランプ氏の関税政策について Part 7

 二つめは、実は、ここ数十年の世界的なお金の流れとしては、現在、トランプ氏が散々攻撃している貿易黒字を出している国々のお金が、結局回り回って、アメリカに戻ってきて、アメリカの株価や不動産価格や企業の業績などをずっと押し上げ続けてきたり、また、アメリカへの投資や、アメリカ人の消費や、さらにはアメリカ国債の購入を支え続けてきたようなところがあったわけです。

 ところが最近、トランプ氏が一連の関税政策を強く打ち出すようになってきてから、そうした世界中のお金の流れがだんだん変わってきていて、「今まではアメリカ株を買っておけば、絶対大丈夫と思っていたのだが、トランプが出てきてから、今後、どうなるかわからなくなってきた」「関税で売上が下がるのであれば、アメリカへの投資や国債を買う資金もどうなるかわからない」「現在のアメリカ経済は、どうなるかわからないので、他の地域にお金を回すしかないのではないか」などというような感じで、はっきり言ってしまうと、現在、アメリカの株価の先行きや景気の動向自体が、世界中の国々から見ると、かなり不安定になってきているように見えるわけです。

 ですので、アメリカの人々からすると、現在のトランプ氏の関税政策で、毎日の生活必需品などの値段が上がって、生活がますます大変になるだけでなく、現在、もう起きていますが、現在のトランプ氏の関税政策で、多くのアメリカの人々の財産、つまり株や不動産などの価格も、現在のままだと大きく下がってゆく可能性がとても高くなってきているようなのです。

 つまり現在のまま、トランプ氏が関税政策を進めてゆくと、もう数ヶ月も経たないうちに外国ばかりでなく、アメリカ自体が大きく景気後退に入るだけでなく、もし、さらにそうした状況が長く続いていった場合には、多くのアメリカの人々が、単に物価高に苦しむだけでなく、多くのアメリカの人々の非常に大切な財産や年金などの元になっている株価そのものが、かなり目減りしたまま、そう簡単には、少し前のような高い株価には戻らなくなってゆく可能性があるのです。

 それでとても怖いのは、もしアメリカ経済が、これまでのような他の国々からの信用を失ってしまうと、世界恐慌とまでは行かないと思うのですが(現在の世界には、様々な経済安定のための仕組みがあるので・・・)、単に物価が高くなるだけでなく、かなり景気が悪くなって、倒産する企業が増えたり、失業者がかなり増えた状況になったまま、なかなか以前のようなアメリカ経済の状態には戻せなくなってしまう可能性があることです(いわゆるアメリカの政治や経済の信用の大きな収縮が起きつつあるのですね)。

 ですので、私は、もしアメリカの製造業を強くして、雇用を増やしたいというのであれば、普通、そうした計画は、どこの国や企業であっても、最低でも数年がかりで地道に取り組んでゆくものなので、経済の専門家や、有力な企業の経営者などを交えて、きっちりした計画を立てて、取り組むのが至極当然の話であると思うので、そうした形で、数年がかりの国家計画を立てて、アメリカの製造業をさらに強くしたり、アメリカの雇用を増やしてゆくような政策を行っていった方がよいのではないか、と感じています(ちなみにバイデン政権の時代もそうした政策をとっていたようです)。

 常識的に考えて、関税を高くすれば、わりと短期間のうちに物価は上がり始めて、多くの人々の生活は大変になるはずなのですが、しかし、そうした状況になっても、その後、製造業が盛んになったり、雇用が増えるには、普通、何年もかかるはずなので・・・。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月10日 7:09 AM, 予知、予言、未来予測 / 政治 / 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済