それでは、こうした現在の世界の状況について、いったい、どのようなことが言えるのか、というと、だいたい次のような二つのことが言えるのではないか、と思われます。
①第二次世界大戦当時、枢軸国であった日本やドイツやイタリアなどの国々については、戦後、約80年近くに渡り、世界の平和と繁栄に大きく貢献してきた経緯から、もうそろそろ現在の国際社会を代表する模範的な国々として、しっかり評価し直すことが必要になってきている
まず一つめは、2022年の今年は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う国連や国際社会の混乱が、非常に強く印象に残った年になりましたが、こうしたことからもよくわかるように、かつて、第二次世界大戦前後の様々な経緯から発足した現在の国連の体制では、その後の世界情勢の大きな変化に伴い、現在の世界の問題をうまく解決できなくなってきているところがあるようです。
それゆえ21世紀初頭の現在の世界の状況に合わせた、世界の問題をよりスムーズにうまく解決してゆけるような新しい国際関係の枠組みが、どうしても必要になってきているように思われます。
それでは、今から約80年近く昔に起きた第二次世界大戦は、いったい、どのような経緯で起きていったのか、というと、特に1929年の世界恐慌の後、国内に十分な資源や市場を持っていなかった当時のドイツや日本やイタリアのような国々が、経済的に大きく行き詰っていった結果、当時、広大な領土や植民地を持っていたアメリカやイギリスやフランスやソ連などの帝国主義の国々に軍事的に挑戦するような形で、だんだんエスカレートしていった経緯があったわけです。
それゆえ第二次世界大戦後は、当時の戦勝国の国々が中心となって、世界的な自由貿易体制をつくっていったり、また戦中、枢軸国であった国々の非軍事化や民主化を大きく推し進めるような形で、現在の国連を初めとするような様々な国際関係の枠組みが作られてゆきました。
Cecye(セスィエ)