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現在のトランプ氏の関税政策について Part 12

 それでは、こうしたことから、いったいどのようなことが言えるのか、というと、だいたい次のような内容になります。

 

1、実際のそれぞれの国の間のビジネスやお金の動きには、貿易以外のものも、結構たくさんあるものである

 まず一つめは、これはよく考えないとわかりづらいのですが、こうした自由貿易と通貨の関係になっていると、はっきり言って、どんな国であっても、かなり長い年月に渡って、ずっと貿易黒字が続いているとか、あるいは、ずっと長く貿易赤字が続いているような状況というのは、何か貿易以外の金融業であるとか、ネットやソフト関係の産業や、映画や音楽のようなエンターティンメント産業などの具体的な商品が関わっていない輸出産業があったり、それ以外のお金の動きがなければ、基本的に理屈上は続かないことになるということです。

 ですので例えば、アメリカも数字上は、たくさんの貿易赤字があることになっているのですが、そうでないところで、アメリカから、たくさんお金が流れていって、そのお金でアメリカから、たくさん何かを買い続けていたり、また逆にアメリカ企業が様々な事業で売り上げを上げて、アメリカにたくさんお金が戻ってきたりしていたので、現在のような世界経済がうまく成り立っていたようなところがあったのです。

 つまり一般に貿易上の「黒字」や「赤字」というのは、一定期間ごとの、それぞれの国の間の「商品」の売り買いにおいて、ある国と別のある国の間では、いくら多くて、いくら少ないとか、あるいは、ある国全体で見ると、いくらである、などというような総合的な決算のようなものであるわけです

 ところが、実際のそれぞれの国の間のビジネスや通貨のやり取りというのは、そうした物だけで完結しているのではなくて、例えば、お金の貸し借りや投資に伴うお金の移動や、具体的な物ではない、インターネット上の売り上げや、ソフトウエアの売り上げや、映画や音楽や書籍や特許使用料などの知的財産権の売り上げや、観光や出稼ぎに伴うお金の動きなどというように、実際の物ではない売り上げや、投資や、お金の貸し借りなどに伴うお金の動きというものも、結構たくさんあるものなのです。

※これらは現在の「国際収支統計」では、貿易上の黒字や赤字を表す「貿易収支」ではなく、それぞれの国の間の「サービス収支」や「所得収支」や「経常移転収支」などとして、別に分類されているようです。

 ですので実際の国と国の間のお金のやり取りというのは、単純に商品の売り買いを主に扱う貿易上の黒字、赤字という数字だけではよくわからないところがあるようなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年4月26日 9:04 AM, 現在のアセンションの状況 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済



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