②現在の世界の経済体制では、基本的に世界中の国々の自由な経済活動は大いに奨励されているのだが、ただし、行き過ぎた人権の弾圧や軍事力の行使を図ろうとした場合には、国際的な協調関係の下、かなり断固とした制裁が課されることが多い
二つめは、これは特にここ数十年ぐらいの間にだんだん問題になってきているような内容になるのですが、第二次世界大戦後の世界では、先ほどから述べているような国際的な協力関係の下で、1980年代末までは、米ソの冷戦があったり、また旧ソ連系の国々では、社会主義的な経済運営が行われていましたが、現在のアメリカやヨーロッパや日本などの国々を中心にたくさんの国々が、世界的な自由貿易による経済関係を築いていったので、そうした国々へ、たくさんの農産物や鉱物や原油や工業製品などが輸入されるようになっていったり、また逆にそうした国々から、たくさんのそうした物が輸出されるだけでなく、たくさんの資金や人や企業なども進出していったために、昔の時代では考えられないくらい非常に短期間の間に、次々と経済的に豊かになってゆく国々が現れるようになってゆきました。
ところが、そうして経済的に豊かになっていった国々の中には、時折、その国独自の宗教やイデオロギー的な立場や、国の体制や、他の国々との関係などから、行きすぎた人権の弾圧や軍事力の増強を大きく図るようになってゆくだけでなく、さらにはそうした軍事力をちらつかせて、他の国々を威嚇したり、衝突を巻き起こすようになって、大きな軍事的な脅威を与えるような国になっていってしまうことがあったわけです。
そうすると現在の世界では、そうした軍事的な問題が現実になった段階から、多くの国々の間で、これまでのそうした国との関係を大きく見直すようになり、最初は、たくさんの国々や国連などが中心に、そうした国家のあり方に対して、強く警告し、修正を図ろうとすることが多いのですが、それでもダメだと様々な輸出入の制限や、技術の移転や企業活動の制限や、外交関係の縮小を図ってゆくようになるわけです。
しかし、さらにその後、実際に他の国へ軍事侵攻を行って、現在の世界の平和と秩序を大きく踏みにじるような危険な行動に出て、止まらなくなってしまった場合には、たくさんの国々や国連などが中心となって、軍事介入も辞さないような、かなり強力な圧力をかけて、できるだけそうした戦争の拡大を防ごうとすることが多いようです。
Cecye(セスィエ)