民主化や近代化の際に、非常に複雑に交錯しがちな四つの利害関係について
ここから現代の人々としては、まだ、あまりはっきりと理解できていないことが多いと思われるような、民主化や近代化についての少し変わった話をしてみたいと思います。
実は、こうした形で、その国が民主化や近代化を進めてゆく過程では、たいてい、次のような四つの利害関係が、非常に複雑に交錯し合うように絡み合ったり、対立し合うような状況になることが多いのですが、ところが、その渦中に置かれた多くの人々の立場からすると、それが、なかなか客観的にうまく理解できないために、かえって、ごちゃごちゃと混乱が長引くような状況になってしまうことが、人類の歴史では、とても多かったのです。
ここから、そうした四つの利害関係を中心に、そうした民主化や近代化の際によく問題になりがちな内容と、その解決策について、様々な観点から述べてみたいと思います。
1、政治的には、王制があることで民主制や近代化が安定するケースと、そうでないケースがあるので、注意が必要である
それは、いったいどのようなものなのかというと、まず一つめは、これは、わりと誰にでも、はっきりわかることが多いのですが、いわゆる、その国や地域で、昔からの代々の王家や貴族として(日本だと「天皇制」と呼んでいますが・・・)、非常に権力を持って、長く支配してきた旧勢力の人々がいます。
こうした人々の立場はかなり微妙で、要するに昔から政治権力に深く関わってきたために、政治家や役人や、その土地の有力者達に対して、非常に深いバイプを持っていると共に、そうした時代の変化の中で、はっきり言うと、次第に自分達の権力基盤が、だんだんなくなっていってしまうような立場に置かれるわけです。
そうすると国民全体の幸せを考えて、そうした状況を快く思えるような王家や貴族の人々がいることもあれば、そうではなく、自分達の権力基盤が、だんだん弱くなってゆくことに対して、あまり快く思わずに、何かチャンスがあれば、再び政治の中心に返り咲きたいと考えているような王家や貴族の人々がいることもあるので、その時々の情勢によっては、そうした人々の言動が、かなり強い形で、その国の政治に大きな影響を与えることがあるようです。
こうした形で、民主制になったと思ったら、再び、王制のような政治体制に戻ってしまったというような国々も、これまでの歴史では、結構あちこちに見られたのですが、そうではなく、そうした王制が、その国の政治を非常に力強く安定させるような形で、民主化や近代化を推し進めてきたような国々もあるので、こうした旧勢力の人々に関しては、単純にそうした人々が、すべてがすべて良いとも悪いとも言えないような、なかなか微妙なところがあるようです。
追伸
前回の辺りから、今年書いた文章になります。
Cecye(セスィエ)