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現在のイスラエルやガザ地区の情勢について Part 12

 このように現在までのパレスチナの辺りの地域の状況から予測すると、もしハマスの政治目的が実現しても、おそらく今後もずっとパレスチナの人々は、荒廃した紛争地域で生きてゆかなくてはならなくなるのではないか、というように私には思われます(少なくとも、これまでずっとそうだったので・・・)。

 そうするとガザ地区の人々の立場としては、ハマス的な政治目的は、ほぼ完全に捨てた上で、イスラム教の信仰はしっかりと保障され、また、ある程度の政治的な自由や自治や人権もしっかり保障された形の新しい地域のあり方を模索していった方が、ずっとよりよい未来の状況になるのではないか、というようにも思われるのです。

 ただし、ここで難しいのは、イスラム教の国々の政治の場合、イスラム教があまりにも政治の世界に強く出てきすぎてしまうと、すぐに自由や人権を軽視し出したり、古びた中世の時代のような戦闘的な国家の理想を煽り立てようとしたり、また一部の人々の利益ばかりを突出して守り抜いてゆこうとしてしまうようなところがあるので、おそらく現在のような状況であるとガザ地区に自治政府ができても、すぐに不安定化して、またハマスのような政治集団の支配に戻ってしまう可能性がとても高いということです。

※2000年を過ぎた頃になりますが、イスラエルとパレスチナの双方で平和的な機運が非常に高まっていたことや、またイスラエルの人々の間でも、ガザ地区をずっと占領下に置いておくことにかなり強く嫌気が刺していたことなどから、2005年にイスラエル軍は、ガザ地区から完全に撤退しています。ところがその後、2006年にパレスチナで選挙を行うとガザ地区では、イスラエルへの徹底抗戦を唱えるハマスが政権をとってしまったために、再び、イスラエルとパレスチナの間で激しく対立するようになってしまった経緯があります。

※これまでのようなガザ地区の情勢であると、統治がうまくいかず、人々の生活がなかなかよくならないと、「イスラエルが全部悪いんだ」「欧米が全部悪いんだ」「イスラエルがなくなって、イスラム教徒の国になれば、すべてうまくいくんだ」などというような言い訳やスローガンがすぐに成り立つのではないか、と思われます。ですので、おそらく現在の状況では、たとえ和平が成立しても、しばらく経つと再びハマス的な政党が政治を牛耳るようになり、そして、ガザ地区の人々の生活はほとんど改善されずに(さらに人口は増えるかもしれませんが・・・)、あちこちで衝突を繰り返すような状況になるのではないか、というように予想されます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2024年2月20日 9:03 PM, イスラム教 / ユダヤ教 / 予知、予言、未来予測 / 宗教、道徳 / 政治 / 社会、文化 / 軍事



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