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原子爆弾について Part 2

3、当時の情勢から推定すると、もし日本に原爆の投下がなかった場合には、日本の停戦はずっと遅れたものとなり、その後、かなり深刻な長期混乱状態に陥る可能性が高かったので、その場合には、今日のような日本の平和と繁栄はなかった可能性もある

 こうした原子爆弾についての考え方というのは、現代、及び、それ以前の米ソ(アメリカとソビエト)冷戦の頃の多くの人々の原子爆弾に対する考え方であるので、当然、第二次世界大戦末期の、こうした原子爆弾が登場したばかりの頃の多くの人々の原子爆弾に対する考え方というのは、現代とはかなり違ったものだったのではないかと思われるのですが、ここでは、こうした前提での第二次世界大戦の後半における当時の大日本帝国に対する連合国というか、アメリカによる原爆の投下について考えてみたいと思います。

※多くの日本人は、第二次世界大戦というと、何となく当時の大日本帝国と、当時のアメリカやイギリスや中華民国やソ連との間の戦争というようなイメージを持っていることが多いようなのですが、これは大きな間違いで第二次世界大戦というのは、当時の世界の有力な国々や、その代表が集まる当時の国際連盟の決定に全面的に反対する当時のナチス・ドイツやイタリア王国や大日本帝国などの枢軸国と、後に「国連」に発展する連合国の国々、つまり当時のイギリスやアメリカや中華民国や、フランスなどのヨーロッパの主要な国々やソ連といった全世界の国々との間の世界規模の戦争だったということです(戦争の経過と共に連合国に加盟する国々はどんどん増えていって、1945年の日本の終戦時には、大日本帝国以外のほぼ全世界の国々と、日本一国だけで戦争するような状況になっていました)。つまり残念ながら多くの日本人の感覚とはかなり違って、今日の感覚で言うと当時の枢軸国は、まるで「侵略者」のようなイメージで、それに対して国連の主要な国々の連合軍が戦っているというようなスィチュエーションだったということです(植民地支配の問題もあったので、連合国側が、すべて良いというわけではなかったのですが・・・)。

 

①もし1940年代当時の状況が異なっていれば、ナチス・ドイツや大日本帝国が先に原爆を作った可能性もあるので、「アメリカが原爆を作って、無力な日本に使ったから悪い」というような理屈は単純には通用しない

 まず最初に言えるのは、よく日本では、「当時、戦争で優勢だったアメリカが原子爆弾を開発して、無力な日本に使ったから、ものすごく悪い」というような見方をされることが多いようなのですが、これは基本的に完全な間違いで、原子爆弾が開発されるための理論や技術が明らかになったのは第二次世界大戦前なので、実際の事実は、当時、世界中で大戦争が起きていて、ナチス・ドイツを初めある程度、科学技術に自信のある国々は、みんな原子爆弾の開発を実際に行っていたか、もしくは、少なくとも政府内で検討したはずなのだが、たまたま、それを最初に実用化したのがアメリカだったということです。

 ですから当時の時代として考えうる、ありとあらゆる兵器の開発を行っていたナチス・ドイツや大日本帝国でも当然、「その最終兵器みたいな爆弾が作れるなら作りたい」とか、「できれば敵が持つ前に自分の国で実用化できないか」というようなことは十分検討していたはずだし、またもしくは、実際に秘密裏のうちに研究開発を行っていたのは、ほぼ間違いないということです。

 それゆえ「第二次世界大戦の末期にアメリカが原子爆弾を使ったから悪い」というような主張は、基本的に完全に間違いで、本当は公になっているかどうかはともかくとして、当時のナチス・ドイツや大日本帝国も原子爆弾を作ろうとしていたはずだし、また、もし当時のナチス・ドイツや大日本帝国にそれだけの科学技術や資源があった場合には、ひょっとしたら、アメリカに先んじて原子爆弾を作り、使ったかもしれないというのは、ほぼ間違いないということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年8月8日 9:02 PM, 政治 / 歴史 / 軍事



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