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知ることと人間性の関係について Part 51

どんなに優れた知恵であっても、もっと長い歴史のスパンや、もっと広い世界のスパンでは、本当に正しい最高の知恵であるとは言い切れないようなところがある

 そうすると、ここで非常にややこしい問題が生じてくるのですが、それは今述べたような人間の知性に関する性質があると、はっきり言うと、たとえ、この世界にどんなに賢い人がいたとしても、また、この世界の人々が、どんなに賢くなっていったとしても、今述べたような三つの条件によって、人間の知恵の性質というのは、常に限定されたものになってしまうようなところがあるのではないか、ということなのです。

 つまり、今述べたような人間の知性に関する性質があると、この世界にどんなに賢い人がいたとしても、また、この世界の人々が、どんなに賢くなっていったとしても、そうした人間というのは、結局、どんな人であっても、ゼロからすべての知恵を発見してゆくことはできないので、それゆえ普通は、その人に先立つ様々な先人達の知恵や経験を元に、もう一段上のさらに優れた知恵を発見、発明したり、また、そうした知恵に基づく自分自身や他の人々への貢献を行いながら、その人独自の知恵の世界を築き上げてゆくことになります。

 そうすると、どうしても、どんなに優れた知恵であっても、それは、その時代や、その国や地域に限定された範囲の中での最高の知恵に過ぎないものになってしまうのではないか、ということなのです。

 そうすると結局、人間の知恵というのは、どんなに優れた知恵であったとしても、また、その知恵が、どんなに真実性の高い知恵であったとしても、そうした人類全体の知性に関する性質の制限によって、もっと長い人類の歴史のスパンや、また、もっと広い世界のスパンでは、本当に最高に優れた知恵であるかどうかは、よくわからないようなところがあるし、また、本当に真実であるかどうかも、よくわからないようなところがある、というような非常に複雑なパラドックスが生じるようなところがあるのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2020年12月11日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 宗教、道徳 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 科学、テクノロジー



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