Light Symbol

職業と人生 Part 56

 今回から「職業と人生」の話の続きになります。

 

2、現代の辺りの時代を一つの過渡期として、地球上の人類は、だんだん楽しみや遊びを主な仕事や人生の中心にするようになってゆく

 第二には、これは現代人にとっては、まだ夢幻のような話になってしまうかもしれないのですが、現在のような社会の状況であると、日本やアメリカやヨーロッパのような先進国の国々は、経済や科学技術の進歩によって、一人一人の個人はともかくとして、国や社会全体で見ると、とてつもなく莫大なお金があるし、また衣食住といった生活に必要な物も溢れ返っているし、それから何かやるためのノウハウのようなもの、つまり様々な知恵や技術のような知的財産のようなものも溢れ返っているような社会になってゆきつつあるわけなのですが、そうした時代になると、これまで長い間、多くの人々が非常に大切だと考えていた職業や人生に対する考え方も、だんだん大きく変化してゆくようになるのではないか、ということなのです。

 大まかに言うと、次のようなことが言えます。

 

1、一昔前の時代の人々の感覚から見ると、たいていの現代人は、まるで毎日遊んで怠けて生活しているように見えるようなところがある

 まず一つめは、これは現在も常に進行中の出来事になるのではないかと思われるのですが、要するに現代の多くの人々の仕事というのは、経済や科学技術の進歩によって、だんだん昔の時代の人々の感覚から見ると、まるで毎日遊んでいるか、怠けているような状態の仕事ばかりになってゆきつつあるのではないか、ということなのです。

 これは、この文章の最初の部分で、普段はあまり考えないような職業や人生の歴史的な流れについて説明してきたので、ある程度わかると思うのですが、昔の人々の感覚では、「仕事というのは、とにかく暑い太陽の下で体を使って、せっせせっせと一日中、汗を流して働くものだ」とか、「人間というのは、自分や家族が食べるために、朝から晩まで一生懸命働くのが当然なのだ」とか、「偉い王様や貴族は別として、普通の兵隊は、毎日、心身の鍛錬に励んで、いつでも戦いで活躍できるようでなくてはならない」とか、「子供は、小さいうちから親の手伝いや仕事をするのが当然だ」などというような職業や人生の物の見方が主流であったわけです。

 ところが、それが現代のような世の中になると全く違ってきて、「重い荷物は機械で動かすので、人間は、そうした機械を上手にコントロールする運転手やオペレーターの仕事がしっかり出来ればよい」とか、「仕事の生産性や法律や人権の問題で、仕事には休みが必要だし、福利厚生もとても重要だ」とか、「新しい企画や開発の仕事には、独特の余裕や遊び心がないと、なかなかうまく行かない」とか、「アートやゲームに関わる仕事では、誰よりも、そうしたアートやゲームが大好きな人間でないと、なかなか務まらない」とか、「ある程度の管理職になると金銭的に余裕がある人でないと、外部に人脈が、なかなかうまく築けないのでやっていけない」などというような職業や人生の物の見方に大きく変わってきたようなところがあるわけです。

 そうすると現在の時点でも、おそらく、一昔前の時代の人々から見た場合には、現在、日夜一生懸命働いている多くの人々は、それほど過酷に肉体を酷使しているわけでもなく(現代人から見ると、ほんの一昔前までの肉体労働は、本当にかなり過酷で危険なものが多かったです)、また精神的なストレスがあるわけでもない、つまりある意味、多くの人々が、毎日遊んで怠けて暮らしているように見えるのではないか、ということなのです。

 それでは、現代の多くの人々は、そんなに気楽に遊んで怠けてばかりの暮らしをしているのか、というと、そうでもなくて、確かに現代には現代の様々な問題や苦悩があるのも事実なのですが、それにも関わらず、現代の多くの人々は、一昔前の時代の人々と比べると、一日中、肉体を酷使して、働いているわけでもなければ、たいていの場合、日雇いのような形で経済的に非常に不安定な生活を強いられているわけでもなく、また常に健康上、生活上、生死に関わるような大問題を抱えているわけでもないので、やはり現代の多くの人々は、そうした一昔前の時代の人々と比べると、なんだかんだ言っても毎日遊んだり、怠けたりして生活しているように見えるのではないか、ということなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年7月29日 9:03 PM, おすすめ記事 / 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論 / 歴史 / 社会、文化



«

»

おすすめ記事

過去の記事