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どんなに立派なメディアも、基本は単なる瓦版(かわらばん)であることを絶対に忘れてはいけない Part 2

4、メディアの特性としては、常に少数の利益を優先し、できるだけセンセーショナルに単純な善悪の構図で、多くの人々の同情や感動を誘うような形で、大変なことが長く長く続いてゆくようなニュースの演出をするような傾向になってゆきやすい

 第四には、そうすると、こうしたメディアの業態であると、いったいどのようなことが起きるのかというと、これは、こうしたメディアに関わる人々としては、本当はあまり言ってほしくないような内容であるはずなのですが、そうしたメディアの発表する情報というのは、多くの人々の単純な信用や思い込みとはかなり違って、特に大変な大事件のような時には、「本当の真実を発表するよりも、多少嘘やインチキでもいいから、政府や大金持ちの意向に沿ったニュースを、できるだけセンセーショナルに取り上げた方が、会社の安定と利益につながる」とか、「ちょっと難しい理屈や、冷静で正しい情報を伝えようとすると、なぜか、みんな全然見てくれなくなるような傾向があるので、とにかく単純な善悪の構図で、できるだけ多くの人々の同情や感動を誘うような演出で、しかも、できるだけ取材されている人間を主役にして、メディア自体の意図はあまりよく分からないような形で、そして大変なことが、繰り返し繰り返し、長く長く大変に続くようなニュースが、たくさんあるような報道の仕方が望ましい」というようなことになってくるのです。

 そうすると、これは最低でも、もう数十年以上、この地球の社会で、いろいろな経験を積み重ねている皆さんには、非常によく分かるような内容なのではないかと私は思うのですが、そうしたニュース報道を見ていると、「常にこの世界にはたくさん問題があって、どこの誰にも全く解決できない」とか、「常にこの世界は、誰が何をしても、全くどうにもならないくらい、めちゃくちゃでいい加減で、どうしようもない状況なのだ」というような世界の印象を、多くの人々が持ちがちになってくるのです。

 

メディアの報道とは全く違って、実際の世の中には、それほど凶悪な悪人も、それほどものすごい天才もめったにいなくて、ごくごく普通の地味で真面目な人々が一生懸命、頭を使い、技術を磨き、汗水垂らして働いて、何とか維持しているのが、本当の社会の実態である

 ところが、これは、みなさんの身の回りの状況をよくよく冷静に見直してみれば、すぐに分かるのではないかと私は思うのですが、実際の世の中の状況というのは、それほどものすごく優秀とか、天才と言うほどでもないような、ごくごく普通の多くの人々が、それほどものすごい悪意をもって、「悪いことをしてやろう」とか、あるいはその反対に、それほどものすごい善意をもって、「全世界の人々を救うのだ」といった誇大妄想を持つわけでもなく、はっきり言うと毎日毎日、その日の糧を稼ぎ、穏やかで幸せな生活を送るために、何とか一生懸命、自分なりに精一杯の労働をしながら、それなりに何とか毎日の生活を淡々と続けているだけの世界であるのです。

 それゆえ、そうしたメディアのニュースとは違って、実際の世の中には、それほどものすごいヒーローもいなければ、それほどものすごい悪党がいるわけでもなく、はっきり言うと非常に地味で平凡な人々の集まりによって、この世界は今日も成り立っているわけなのですが、それにも関わらず、そうした、いっけん非常に地味で平凡な人々が、それぞれの立場なりに常にあまり大変な事態にならないように一生懸命、知恵を絞り、技術を磨いて、汗水垂らして働いていたり、あるいは、できるだけ最高の状況になるように、やはり一生懸命、知恵を縛り、技術を磨いて、汗水垂らして働いているのが、本当の世の中の姿であるということなのです。

 ですから、こうした目で見る限り、実は、よくメディアが声だかに報道するような、本当にとんでもない悪人とか、あるいは、本当にものすごい大天才なんて、この世の中にはめったにいなくて、そうではなく、それほど頭が良いとも仕事ができるとも思っていないが、ただ自分の与えられた職務に関しては、そこそこ立派にやり遂げることができるというような、ある程度のプロの職業意識を持っているような、ごくごく普通の人々が一生懸命、頭を使い、体を使って働きながら、何とか維持し続けているのが、現在、私達が生活しているこの人間社会であるということなのです。

 

メディアの特性上、常にメディアの情報と、実際の社会の状況は大きく食い違いがちであるということを、よくよく理解しておく必要がある

 ですから、これは決してメディアに関わる人々が、すべて悪人であるなどと言っているわけではないのですが(私だって、テレビぐらい見ますよ)、しかしながらメディアの情報に触れる時には、こうしたメディアの特性というものをよく理解して、その上で自分の頭でよく考え、また自分の手足を使って、よく知識や情報を集めて、そうしたメディアの特性がある以上、メディアの情報と、実際の社会の状況というのは、常に常に大きく食い違いがちであるのだということをよくよく理解しておくことが、私は非常に大切なのではないか、というように考えております。

 

Cecye(セスィエ)

2011年3月27日 9:24 PM, おすすめ記事 / 政治 / 社会、文化



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