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世界の軍事的な同盟関係について Part 4

現在の日本の政治的、軍事的状況では、自衛隊が積極的に海外で戦争するような事態になる可能性は、ほぼ全くありえない

 これは、客観的に日本の自衛隊の様子や、日本の周囲の軍事的な状況を見れば、すぐわかるのですが、日本の自衛隊は、憲法上、侵略行為が完全に否定されているのみならず、実際に他国を侵略する能力がないので(つまり、そういう武器や装備がほとんどない)、「自衛隊が他国を侵略する云々」という発言自体が、ほぼ全く意味がない、という事実があります。

 それから、戦前の大日本帝国と違って、戦後の日本国では、国民の代表が、自衛隊をほぼ完全に掌握しているので、「政府が暴走して、自衛隊が海外で戦争する云々」という話も、ほぼ全くありえない、ということと(ここ数十年の間に何度かあったように、戦後の日本では、そんな変なことをする政治家や政党が出たら、ほぼ間違いなく、次の選挙でいなくなりますから・・・)、それから、戦後の日本は、民主主義国で、国民の意見が政治の動向を決めるのですが、そうした侵略行為を支持する国民がほぼ全くいないので(戦後の日本では、マンガやアニメや映画では、「侵略者やテロリスト=悪」のイメージは、完全に定着しています)、現在の状況では、よほど日本の周辺が、軍事的に不安定な状況になるか、あるいは、日本が、資源エネルギー的に絶対的に不安定な状況にでもならない限りは、日本の自衛隊が、海外で積極的に戦争を行うような状況というのは、ほぼ全く考えられない、ということです。

 あと、さらに付け足すと、現在の自衛官には、かつての大日本帝国時代のように特権階級的な世襲軍人のような人がほとんどおらず(別に自衛官の子供が自衛官になっても全然構わないのですが、昔は、明らかに特権階級の人々がいたので・・・)、戦後の日本の民主主義や法治主義の中で過ごしてきた人がほとんどなので、「国民を守る」、とか、「厳しい大変な状況でも使命をしっかりこなす」、というような精神力はとても強いと思うのですが、「他の国の人々を傷つけたい」、とか、「日本の政府を瓦解させたい」、というような政治目的を持っているような人は、まずは、ほとんどいないのではないか、と思われます。

 さらにダメ押しで言うと、現在の日本の自衛隊の施設は、戦後、いったん、当時の連合軍に、ほぼ完全に接収されてしまったような歴史的な経緯があるので(つまり、日本の自衛隊の主要な基地は、よくアメリカ軍の基地と隣接したり、共同使用になっていたりするので、友好的な関係になりやすい)、現在の日本の軍事的な状況では、もし反米的、反国連的な政治家や軍人が現れてきたとしても、現実には、そうした人々のいかなる軍事的な野心も、ほぼ全く実現できないような状況になっています。

 それというのは、終戦直後の日本は、国際的に全く信頼されていなかったので(現在の感覚で言うと、終戦前の大日本帝国では、独裁者に率いられた洗脳兵隊が、狂ったように全世界の国々、つまり、国連軍と戦闘しているような状況に見えたはずなので・・・)、当時の連合軍としては、あらゆる方法で、大日本帝国の古い権力にしがみついている人々の軍事的な野心を諦めさせると共に、大多数の普通の日本人を新しい日本国憲法の枠組みの下で、民主主義や自由主義や平和主義の国に再出発させようとしていた、ということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年4月11日 3:03 PM, 政治 / 軍事



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