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現在のトランプ氏の関税政策について Part 22

経済成長してゆくと、やがて貿易黒字が多かった時代は終わり、貿易赤字は多くても、経済的には非常に繁栄している時代に大きく移り変わってゆくようである

 それでは、現在のような世界の経済の状況において、こうした貿易黒字や貿易赤字の問題に関しては、いったいどのように考えてゆけばよいのか、というと、先ほどから何度も述べているように、確かに現在のような自由貿易体制の世界において、その国の経済が発展している時代には、企業の輸出が増えて、貿易黒字が非常に大きかった時代の印象が強く残っているかもしれません。

 ところがそうした時代を過ぎて、ある程度の規模の経済大国になってくると自国の通貨の価格も上がるので、輸入が増えて、貿易赤字が増えてくるのは、国の経済成長の過程で起きるある意味、当たり前のよくある経済的な変化なのだと、ある程度、理性的に理解し直すようにした方がよいのではないか、ということです。

 ただ先ほども述べたように普通、個人や企業の会計では、「黒字は収入や儲けを表すので良いことで、赤字は借金や損失を表すので悪いことなのだ」と考えられることが多いので、そうした黒字と赤字のイメージによる貿易収支についての考え方の混乱は、今後も、そう簡単には変わらずに多くの人々の間に残ってゆき続けるのではないか、とも思われます。

 それでは、そうした経済成長して、ある程度の規模の経済大国になった段階では、いったいどのような経済的な変化が起きているのか、というと、まずは通貨が高くなっているので、輸入品の価格が下がり続けていることが多いのですが、そうすると、それまで輸出品をたくさん作っていた企業は、安い労働力を求めて、海外進出していることが多いようです。

 そうした経済の状況になると、要するに海外からの輸入が増えて、貿易赤字も大きく増えてゆくようになりがちなのですが、しかしながら自分の国の企業がそうして稼いだ利益を得たり、また、そうした企業で働いている人々も給与としてもらうようになってゆくので、その結果、貿易収支以外のサービス収支や第一次所得収支などの黒字が、だんだん増えるようになってゆくようです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年7月11日 9:04 PM, 政治 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済



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