Light Symbol

仏教的な「解脱」の悟りについて Part 3

古代インドの一般的な霊的な修行のあり方と、釈迦の教えについて

 それでは、古代のインドにおける一般的な霊的な修行のあり方というのは、いったい、どのようなものだったのか、というと、非常にたくさんの霊的な修行の仕方があったようなのですが、かなり大雑把にまとめてしまうと、要するに当時のインドでは、瞑想的な修行を極めて、かなり高度かつ特殊な精神状態に至れるようになるか、あるいは、かなり過酷な苦行を行って、マイナスのカルマを完全に滅することができれば、本当の悟りを得て、もう二度と苦悩に満ちた地上の世界には生まれ変わってこなくても済む、というような霊的な修行のあり方が多かったようです。

 それゆえ当時の釈迦も、彼自身の身において、そうした修行は、かなり十分に納得できるまで行った後に、釈迦独自の、当時のインドでは、かなり革命的な教えを唱えて、多くの人々を本当の解脱の道に導くようになっていったのですが、かなり手短かにまとめると、「人間が肉体を持って生きる間に、自然自然のうちにたくさん発生する心身の苦悩、迷いや執着を完全に滅しつつ、日々、マイナスのカルマを減らして、プラスのカルマを増やしてゆくようにすれば、やがて、素晴らしい本当の安らぎの境地を得られるようになり、そして今世の苦悩からも、また来世の苦悩からも脱した、完全な魂の解脱を達することができるだろう」というような教えだったのではないか、と思われます。

 これは当時のインドの社会全体を、一挙にパラダイスにしてゆくような教えではなく、当時のインドで生きている一人一人の人間が、本当の心身の平安を得てゆくような教えだったのですが、ところが、その後、そうした釈迦の教えに基づいて生きる人々が、だんだん増えてゆくにつれて、その途中経過では、多少戦乱などで荒れることはあったのですが、やがて、不思議なことに当時のインドの社会全体も、だんだん、より調和した平和で豊かで幸福な社会に変わっていったようなところがあったのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2021年4月26日 9:03 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / スピリチュアリズム、霊界 / 人生観、世界観 / 仏教 / 宗教、道徳 / 歴史 / 瞑想 / 知恵、正しさ / 社会、文化



«

»

おすすめ記事

過去の記事