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昔の大日本帝国憲法の問題点について Part 4

 それから三つめは、これもかなり問題が多いのですが、とにかく大日本帝国憲法には致命的な問題点があって、それは何となく「大日本帝国憲法」という憲法自体がものすごく立派で尊い完成されたもののようなイメージがするのですが、ところが、それでは、大日本帝国憲法に当時の大多数の日本人が十分納得できるような、それだけの憲法の中身であったのかというと、現代の日本人の目から見ると、一人一人の国民の権利の保障が極めて不十分であったり(当時は、それよりも日本国全体を何とか軍事的に守るとか、良くすることが大切だったのでしょうが・・・)、政治家や軍事の責任が極めて不明瞭で、後に政治や軍事が暴走するきっかけになったり(非常に不安定な政治状況だったので、おそらく、政治や軍事の責任を明確化すると、すぐに政権がつぶれてしまう可能性が高かったからだと思われます)、当時の天皇を中心とする軍閥のような組織が後に慢性的に肥大化し、誰もそれを止められなくなるようなところがあるなどの点で、はっきり言うと、今日の日本人や外国人の目から見ても、また当時の日本人や外国人の目から見ても、国家統治の基本となる憲法の仕上がりとしては、それほど高いものではなかったし、また、それほど優れたものではないというのが実態だったのではないかということです。

※昔の大日本帝国憲法では、「憲法改正の際には、天皇直々の命令である勅令が必要で、かつ貴族院と衆議院の3分の2以上の議決が必要」になっているので、実質、天皇や皇族や貴族院の大多数が反対するような憲法の改正は、最初の時点からほぼ不可能になっています。ですから、もし日本が第二次世界大戦の敗北によって連合軍の占領下に置かれなかった場合には、いまだに昔の大日本帝国憲法による統治のままだった可能性も非常に高かったように思われます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年9月12日 4:35 PM, 政治 / 歴史



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