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現代の民主主義の問題点と、その解決策について Part 27

2、共産主義思想について

 二つめは、何らかの思想に基づく政治について、考えてみたいと思うのですが、これも今述べた宗教の立場とやや似ていて、あまりに極端にそうした思想に基づく政治を強く断行しようとすると、様々な問題が生じてくることが多いようです。

 代表的な例としては、有名なマルクス・レーニン思想、いわゆる共産主義思想などがあげられると思うのですが、少し前の時代までは、こうした共産主義思想は、まるで完全無欠な経済理論を備えた、一つの巨大な宗教のような扱いになっていたのではないか、というように思われます。

 それで一昔前の時代には、こうした共産主義思想に基づいて、たくさんの社会主義の国々ができたりしていたのですが、こうした共産主義思想の特徴を、かなり簡単に述べると、まるで人類の歴史の最終目標のようにも感じられる、多くの人々が貧富の差なく、共存共栄して、幸福に暮らせるユートピア世界の理想については、多くの人々が、非常に素晴らしいものであるというように、わりと単純に共感して、受け入れやすいところがあったのではないか、と思われます。

 しかし当時のマルクスが、今から約百年以上昔の資本主義社会を分析して導き出した経済理論に関しては、おそらく当時のマルクスとしては、それほど当時の実際の経済や社会の状況を正確に調査したわけでもなかったにも関わらず、かなり一方的に資本家の搾取を断じたり、暴力的な革命や労働者階級による独裁政治を強く肯定していたことなどに関しては、かなり大きな問題があったのではないか、と思われます。

 それゆえ共産主義思想に関しては、結局、理想としては、多くの人々が強く共鳴してしまうほど、とても高邁で素晴らしいところがあったようなのだけれど、しかし実際の活動は、とても荒々しく暴力的で過激なものになりやすかったり、また、もし、そうした革命が成功して、労働者が政治的に支配する側になった場合には、多くの人々の自由や人権を無視して、非常に過酷な思想や行動の統制を図ろうとしてゆくような、かなり強権的な支配体制になってゆくことが多かったようです。

 また、たいてい共産主義社会になった後の結果としても、なかなか理想の素晴らしい豊かな平等社会など実現せずに、ずっと多くの人々が貧しい生活を強いられるようになったり、さらには、かえって貧富の差が非常に大きい階級社会になってゆきがちだったことなどをあげることができるのではないか、と思われます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2025年8月9日 9:03 PM, 政治 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済



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