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たくさんの国同士の統合とナショナリズムの問題について Part 4

3、多くの国々で、人種や宗教の問題と捉えられているようなことであっても、本当は、単なる若者の精神的な傾向の問題であることも多い

 三つめは、これは、少し変わった見解になるのですが、多くの国々で、人種や宗教の問題と考えられているものであっても、本当は、その大部分のものは、どの国の社会でも、よくありがちな若者の精神的な傾向性、つまり、次々とその国の社会の問題点を見つけ出しては、激しく糾弾したり、アンチ的な言動を繰り返してみたり、また時には、かなり過激な政治活動や、犯罪やテロに関わるような反社会的な活動をしてしまうこともあるような、時折、若い人々の間にありがちな精神的な傾向が、単に人種や宗教の問題を理由に、その国の社会に表れているだけのことも多いものなのです。

 そうすると、こうした、どの国の社会にもありがちな若い人々と、ある程度、年をとって、その国の社会に馴染んだ人々との間の対立を、いかにして少なくしてゆけばよいのか、ということが、次の問題になってくるのですが、これに関しては、大まかに言うと、次のような四つのことが言えます。

 

1、できるだけ様々な機会に、その社会で多くの人々から非常に尊敬されているような立場の人々と、若い人々が、直接話し合えるような機会を持つことが大切である

 まず一つめは、これは、特に発展途上国のような国々では、どこも人材が不足していて、なかなか、そうした機会を作ることは難しいかもしれないのですが、できるだけ様々な機会に、その国の社会で、多くの人々から非常に尊敬されているような立場の人々と、若い人々が直接会って、話し合うような機会を持つことが、とても大切になります。

 それというのは、たいてい若い人々というのは、彼らの直接の親や家族や親族や、あるいは、学校や習い事やスポーツなどで出会うような人々としか、あまり話すような機会を持ったことがないために、そうしたその国の社会で非常に立派であると尊敬されているような人々は、いったい、どのような性格の人で、普段、いったい、どのようなことを考えていて、どのようなことをしているのか、ということすら、ほとんど全くわかっていないことが多いからなのです。

 日本でも戦前、軍事クーデターがあった際に、政府の要人だった人が、自分を今まさに殺そうとしているような人達に、「まあ、そう急がずに、十分に話をしてからでもよいではないか」というようなことを言った、というような有名な話があるのですが、とにかく、若い人々というのは、社会的な知識や経験があまり少ないために、すぐに時を急いで結論を出しては、何か行動してゆこうとするようなところがあるものなのです。

 ですから、そうした若い人特有の長所でもあり、また短所でもある部分を、いかにして、うまくよい方向に導いてゆくかというと、単純に言って、彼らが、まだあまりよく知らない、ある程度の年長者や、その社会で十分に成功した人々と、時々、直接会えるような機会を設けて、そうした人々の実際の人となりや仕事を知ってもらったり、また逆に若い人々の気持ちを、そうした人々に直接伝えるような機会を持つことが、とても大切なのではないか、ということなのです(参考1)。

※戦前の日本の軍事クーデターでも、クーデターを企てた人々が、しっかり話をして、政府の要人の暗殺をとりやめていたら、後の日本の軍部の暴走も、日中戦争も太平洋戦争もなかったのかもしれません(結果としては、国内外、数千万人の死傷者の出た大戦争になってしまいましたが・・・)(参考2)。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2017年12月12日 9:03 PM, 政治 / 社会、文化 / 経済



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