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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 21

2、民主化や近代化の際に、よく起きがちな政治や経済や社会の問題と、その解決策について

 二つめは、そうした社会の変革期において、とにもかくにも大変なことのように感じるのは、かなり有能と思われるような政治家が、何か一つ大問題を解決したかと思ったら、また、すぐに別の大問題が出てきて、その対応に追われるようになるとか、あるいは、次々と鳴り物入りで登場する政治家や役人が、何をどうやっても、結局、大した成果が上がらずに、何年、何十年と、ずっとドロドロした社会の状態が続くような状況なのではないか、と思われるのですが、こうした際に大切なのは、次のような四つの考え方になります。

 

①民主主義とは、多くの人々の知恵と努力によって、無能で危険な政治指導者を政治の世界から排除して、できるだけ多くの人々が、平和に安心して、豊かに幸福に暮らせる社会を築いてゆけるような有能な政治指導者に政治を行ってもらうための政治の仕組みにすぎない

 まず最初に、民主主義国に住んでいる人々が、しっかり理解すべきことは、民主主義とは、みんなで政治家や役人を取り囲んで文句を言っては、何か大きな物を叩き壊したり、何か大きな分け前を奪い合おうとするような政治の仕組みではなく、また突然、彗星のように登場したスーパーマンのような偉大な人物によって、すべての大問題をパッと解決してゆこうとするような、そうした他人任せ、偉大な人物任せの政治の制度でもない、ということです。

 そうではなく、民主主義というのは、これまでの長い人類の歴史の知恵として、いかにして素早く簡単に、無能な人物を政治の世界から排除し、また多くの人々に乱暴狼藉を働いたり、とんでもない搾取を行い続けるような危険な権力者を政治の世界から排除して、そして、少しでも、より有能な、また、より多くの人々から信頼されるような人物に政治家になってもらい、できるだけ多くの人々が平和に安心して、豊かに幸せに暮らしてゆけるような社会を築いてゆくための政治の仕組みにすぎないということです。

 そして、そうした政治の手段として、最も大事な政治家選びの判断を、代々の王家や貴族の人々ではなく、また、一握りのお金持ちの人々でもなく、軍人や役人でもない、できるだけ多くの一般の人々の意志によって、決めてゆこうとするような政治の仕組みであるということなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年10月5日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化



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