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Q&A 天皇制について Part 2

2、現代日本の標準的な歴史観とは、かなり異なる別の面から見た天皇制の歴史について

 次には、天皇制に関係する日本の歴史について、幾つか述べてみたいと思います。

 

①万世一系の天皇家の話は、現実には、ほぼ全くあり得ないのではないか?

 まず第一に言えることは、「万世一系の天皇家が存在する」とか、「天皇や貴族の子供は、代々天皇や貴族になるので、血がつながっているので、とても偉い」というような概念というのは、現実には、ほぼ全くあり得ないのではないかということです。

 それというのは、世界中どの国でも長い歴史の間には、いろいろな出来事があるので、王朝というのは、短いと数年から数十年、長くても、せいぜい数百年程度しか持たないケースがほぼ全部なので、おそらく日本の歴史でも同じ天皇(昔だと「すめらみこと」や「みかど」など)と名前がついていても、実態は、別の貴族の家系の○○という人物や、別の武士の家系の○○という人物になっているなどというように、その時々の政治権力の実態に応じて、実際には、ほぼ別の家系の人物と言ってよいような人々が、その時々の天皇や皇族に関係するさまざまな称号や権威や儀式を次々と継承して続いてきたというのが実態だったのではないか、ということです。

 

②明治天皇すり替え説について

 第二には、これは、あまりはっきり言ってはいけない歴史のタブーのような話になってしまうのかもしれないのですが、歴史的には、幕末の外国人排斥運動や倒幕運動が盛んだった頃に、当時の志士の人達が、江戸時代の間に、ほとんど徳川家の遠い親戚のような立場となり、そのままだと何でも幕府の言いなりになってしまいそうな当時の天皇をうまく取り計らって、すり替えてしまった疑惑があるということです。

 実際、当時の江戸幕府の権力はかなり巨大だったので、正直言って、昔からの天皇や貴族のイメージだと当時の江戸幕府に対して、真っ正面から対立路線を取るとはあまり考えられないので、そうした幕末の混乱に乗じて、当時の志士の人々が秘密裏のうちに天皇を取り囲んで、彼らの意思通りに動く、つまり場合によっては、江戸幕府に命を狙われても微動だにしないような武士出身の人物に、当時の天皇をこっそりすり替えてしまった可能性があるということです。

 実際、明治天皇の写真を見ると、どう考えてみても、昔からの代々の貴族のような雰囲気は全くなくて、どちらかと言うと、パッと見た目は小さい頃から質実剛健に育てられた武士そのもののような外見をしているので、この可能性はかなり高いということになります。

 それでは、明治天皇は偽物ならダメなのかと言われれば、そんなことはなくて、幕末から明治にかけての明治天皇の政治的業績は、日本の歴史上、それなりの高い評価を得るのは当然であると思われるので、私は、明治天皇の場合は、代々の天皇家の人間だから偉かったというよりかは、幕末から明治にかけての日本の大激動期において、当時の志士達の生き残りであった維新の元勲達の意思をよく汲み取って、少しでも良い新たな日本の建設や発展に尽くした幕末の志士の一人、もしくは明治の隠れ元勲の一人として、たぐいまれなるリーダーシップを発揮した人物として素晴らしかったというように認識した方が良いのではないか、というように考えております。

※ここで言う「天皇」は、宗教的な意味を全く持たない国王の意味で使っています。ですから「明治天皇」の呼び名を普通の分かりやすい言葉に置き換えると「睦仁(むつひと)王(国王)」というような呼び名になるものと思われます。

※当然のことですが、諸外国との関係(ややこしい歴史認識の問題など)や、当時のいろいろな時代的制約があるので、これは明治天皇の政治業績のすべてが良いという意味ではありません。ただ明治維新によって近代日本の独立が守られ、後の日本の発展の礎(いしずえ)が築かれたのは、まぎれもない事実だと思われます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2013年7月10日 9:03 PM, Q&A  / 政治 / 歴史 / 社会、文化



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