Light Symbol

ギリシャ神話について Part 7

4、長い中世が終わり、多くの人々が、新たな自由と繁栄を求め始めたルネッサンス期のヨーロッパにおいて、再び脚光を浴び始めたギリシャ神話は、それまで長い間、封印され続けていた古代ヨーロッパの自由や陽気さや繁栄の精神を、ヨーロッパからアメリカ、そして、世界中に広めるための全く新たな役割を持つようになった

 第四には、今度は全く話が変わって、それでは、現在伝わっているギリシャ神話は、いったいどのような点で、多くの人々にとって非常に人気があるのか、ということについて考えてみたいのですが、これは西洋東洋問わず、どの人も、あまりはっきりとは口で表現しないことが多いのですが、私が推定するに、おそらく現在伝わっているギリシャ神話の人気の要因というのは、次のような六つの理由なのではないかと思われます。

 まず第一には、長い中世が終わり、ルネッサンスの辺りの時代からヨーロッパ全土で再びギリシャ神話が、多くの人々に受け入れられるようになっていったのですが、その際、多くの人々が、ギリシャ神話のいったい何に惹かれたのかというと、それはおそらく、どう考えてみても、ギリシャ神話の登場人物である神々や英雄達が、中世のキリスト教の感覚と比べて、あまりに非常に大らかで人間的な欲望や失敗が、そのままありのまま描き出されている上に、その上、人間的な本音が、そのままストレートに表現されていたからではないかということです。

 つまりイエスや彼の弟子なら、そこで、それ以上は絶対に踏みとどまってやらないようなことを、ギリシャ神話の神々や英雄は、平気で乗り越えて身勝手に自由気ままに行動するようなことをしてしまうとか、そこでイエスや彼の弟子なら、絶対に我慢して耐え忍んだようなところを、ギリシャ神話の神々や英雄は、機転に富んだ知恵や勇敢な行動でうまく解決してしまったり、あるいは、わりと平気で、次から次へといろいろな色恋や自分の関心事にのめり込んでいってしまうというようなところに、非常に大きな人間的な開放感と魅力を感じたのではないかということです。

 第二には、これはギリシャ神話の代名詞みたいな話になってしまうのですが、中世キリスト教会では、非常に厳しく性道徳を締め上げていたのに、それがギリシャ神話の神々や英雄達となると、あっちもこっちも本当に無数の色恋だらけになっていたり、あるいは、男の欲望や女の嫉妬が、まるで当たり前のように次から次へと平気で描かれているので、おそらく、こうしたところが現代人の感覚で言うと、当時のヨーロッパ人としては、いわゆる全く新しい形の恋愛物の小説やマンガや映画のように感じられたのではないのかということです。

 それから第三には、これは、ちょっと変わった話になるのですが、実はギリシャ神話には、特にこれといった神の掟や厳しい決まりのようなものが見当たらないので、おそらく、その点で中世の厳しい戒律や法律だらけだった当時のヨーロッパの人々の感覚からすると、かなりの自由や開放感が感じられたのではないのかということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年5月21日 9:12 PM, ギリシャ神話 / キリスト教 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史 / 社会、文化



«

»

おすすめ記事

過去の記事